精選版 日本国語大辞典 「獅子文六」の意味・読み・例文・類語
しし‐ぶんろく【獅子文六】
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小説家、劇作家。本名岩田豊雄(とよお)。明治26年7月1日横浜に生まれる。慶応義塾普通部を経て文科中退。1922年(大正11)フランスに遊学して演劇を学び、4年後帰国して岸田国士(くにお)らの新劇活動に加わり、近代劇の翻訳や演出を手がけ、『東は東』(1933)などの戯曲を書き演劇論も展開、37年、岸田国士、久保田万太郎らとともに劇団文学座を組織した。しかし、その間に演劇だけでは生計がたたないことを知って、「いわばアルバイトのつもりで、ユーモア小説を書くことを考えついた」(処女作のころ)という。獅子文六の筆名で『新青年』に書き始め、『金色(こんじき)青春譜』(1934)が好評を博し、ついで『悦ちゃん』(1936~37)や『達磨(だるま)町七番地』(1937)などの新聞小説で評判を得、『胡椒(こしょう)息子』(1937~38)や『信子(のぶこ)』(1938~40)を婦人雑誌に発表して成功した。第二次世界大戦中は『海軍』(1942)を『朝日新聞』に本名で連載して反響をよび、戦後は同紙に『自由学校』(1950)を発表し、風刺の効いた戦後風俗批判が話題となった。
彼は西欧的な知性と洗練されたセンスを身につけ、時代の風俗を的確に描いた家庭小説や風俗小説は、エスプリとユーモアに富んだ文体で独自の境地を確立し、幅広い読者を得てつねにユーモア作家として第一人者の地位を確保した。その後、半自伝小説『娘と私』(1953~56)に作者として新分野を開き、好評を得た。63年(昭和38)芸術院会員。69年文化勲章受章。同年12月13日没。
[都築久義]
『『獅子文六全集』16巻・別巻1(1968~70・朝日新聞社)』
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…日本では,昭和初年に林不忘,牧逸馬,谷譲次の三つのペンネームで時代・現代小説を書き分けた長谷川海太郎が《一人三人全集》をのこした。また劇作家岩田豊雄は獅子文六の筆名で大衆小説を書き,太平洋戦争下に本名で書いた作品の戦争協力姿勢を問われてのちは,獅子の盛名に後半生をゆだねる生き方をした。近年には多様な文芸ジャンルをこなすかたちで1人2氏名の創作家がふえており,栗本薫(SF小説等)=中島梓(評論),中原弓彦(評論)=小林信彦(小説),赤瀬川原平(美術)=尾辻克彦(小説),阿佐田哲也(麻雀小説)=色川武大(他の小説)などが著名である。…
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