玻璃(読み)ハリ

デジタル大辞泉 「玻璃」の意味・読み・例文・類語

はり【×玻璃/××瓈/×梨】

《〈梵〉sphaṭikāの音写
仏教で、七宝の一。水晶のこと。
ガラス異称
火山岩中に含まれる非結晶質の物質
[類語]宝石たまぎょく宝玉勾玉原石金剛石ダイヤモンド石英水晶クリスタルクオーツ紫水晶アメシスト瑪瑙猫目石キャッツアイエメラルド翠玉緑玉石トパーズ黄玉オパール蛋白石トルコ石ターコイズガーネット柘榴石瑠璃鋼玉ルビーサファイア翡翠碧玉琥珀真珠パール

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「玻璃」の意味・読み・例文・類語

はり【玻璃・玻&JISECC1;・頗梨】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] sphaṭika の音訳。水精と意訳する )
  2. 仏教でいう七宝の一つ。現在の水晶をさす。紫・白・紅・碧の四種類がある。
    1. [初出の実例]「況隋高祖之建仁祠。変戦場於頗梨之閣」(出典:本朝文粋(1060頃)一三・朱雀院平賊後被修法会願文〈大江朝綱〉)
    2. [その他の文献]〔本草綱目‐金石部・玻瓈・釈名〕
  3. ( 透明であるところから ) ガラスの別称。
    1. [初出の実例]「雲母屏風、月を籠め、玻瓈彩籠、星を綴る」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)三)
  4. 火山岩に含まれている非結晶質の物質。黒曜石(こくようせき)のように、岩漿(がんしょう)が急激に冷えたために生じたもの。〔英和和英地学字彙(1914)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「玻璃」の読み・字形・画数・意味

【玻璃】はり

玉の名。〔太平広記、八十一に引く梁四公記〕扶南大舶、西天竺國より來(きた)り、碧玻璃を賣る。外皎(かうけつ)、~五色の物を其の上に置き、に向つて之れをれば、其の質を見ず。

字通「玻」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「玻璃」の意味・わかりやすい解説

玻璃
はり

サンスクリット語スパティカsphaikaの音写で、玻瓈、頗黎とも書き、水精(すいしょう)と訳すが、赤・白などの水晶を意味する。古代インドで、この世における最高の宝とする七宝(しっぽう)の一つ。原語には石英の意味もあり、ギリシア語ラテン語のガラスを意味する原語の系統継承で、パーリ語のパリカphalikaからサンスクリット語化したもので、一般にガラスの古名とする。

[石上善應]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

岩石学辞典 「玻璃」の解説

玻璃

ガラスのこと[東京地学協会 : 1916].藜は璃に通じる字であるが,現在は用いられていない.→ガラス

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android