瑕瑾(読み)カキン

デジタル大辞泉 「瑕瑾」の意味・読み・例文・類語

か‐きん【××瑾/××釁】

きず。特に、全体としてすぐれている中にあって惜しむべき小さな傷。また、短所欠点。「わずかな―もない」
恥。辱め。名折れ
「仕損じては一門の―になるべく候ふ間」〈義経記・六〉
[補説]「瑕」は玉のきず、「釁」もきずの意。「瑾」は美しい玉が本義で、「瑕瑾」をきずの意味に用いるのは、日本独自の用法
[類語]瑕疵細瑾短所難点欠陥くせ遜色弱点欠点盲点あら弱み泣き所負い目引け目付け目デメリットウイークポイントハンディキャップ

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精選版 日本国語大辞典 「瑕瑾」の意味・読み・例文・類語

か‐きん【瑕瑾・瑕釁】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「瑕」は玉のきず、「釁」は透き間。美しい玉の意の「瑾」を当てるのは本来誤用であるが、慣用化されている )
  2. 物のきず。われめ。いたみ。
    1. [初出の実例]「家貽瑕瑾、職付大疵」(出典:玉葉和歌集‐治承三年(1179)一一月一六日)
    2. [その他の文献]〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    3. 「物質界天躰の現象を観察する者は、其鏡面に一点の瑕瑾あれば、之が為め全く其観察を過(あやま)ることある」(出典:信仰之理由(1889)〈小崎弘道〉一)
  3. 欠点。短所。あやまち。
    1. [初出の実例]「親王性操貞潔〈略〉至于終身、遂無瑕釁」(出典:日本文徳天皇実録‐斉衡元年(854)三月甲辰)
    2. 「天下の物の上手といへども、始めは不堪の聞えもあり、無下(むげ)の瑕瑾もありき」(出典:徒然草(1331頃)一五〇)
    3. [その他の文献]〔史記‐李斯伝〕
  4. 恥。不名誉。
    1. [初出の実例]「行程に遅留せしめば、朝廷緩怠の臣として武略瑕瑾のそしりをのこさん事を」(出典:平家物語(13C前)七)
    2. 「もし我君にかすり矢でも当っては末代のかきん」(出典:浄瑠璃・嫗山姥(1712頃)一)

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普及版 字通 「瑕瑾」の読み・字形・画数・意味

【瑕瑾】かきん

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