瓶花容導集(読み)へいかようどうしゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「瓶花容導集」の意味・わかりやすい解説

瓶花容導集
へいかようどうしゅう

いけ花作品集。二冊。池坊専定(いけのぼうせんじょう)の編で1797年(寛政9)の跋(ばつ)がある。内容は池坊専純、専永、専意、専弘、専定をはじめ全国各地に及ぶ門弟立花(りっか)、砂の物百瓶(ひゃっぺい)を選び編集した書である。専定はいけ花の名手として、また池坊立花様式を整備した人として知られるが、その模範的作品として選したのが本書。なお扉に「家本選」と記されているが、家元の語が花伝書に表れた初見として注目される。18世紀末池坊において家元制度が確立した資料としても意味ある書である。

[北條明直]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の瓶花容導集の言及

【池坊】より

…専純のあと専意―専純(重任)―専弘―専定―専明(2世)―専正―専啓―専威―専永(現)の順でつづくが,専定は生花(しようか)の名手でもあった。また寛政年間(1789‐1801),家本選の立華集として,《瓶花容導集》を選び板行するなど,伝統の強調にも熱心であった。門流も全国におよび,幕末期までの池坊は安泰であったといえよう。…

※「瓶花容導集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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