生け贄(読み)イケニエ

デジタル大辞泉 「生け贄」の意味・読み・例文・類語

いけ‐にえ〔‐にへ〕【生け×贄/犠牲】

人や動物を生きたまま神に供えること。また、その供え物。「―をささげる」
ほかの人やある物事のために生命や名誉・利益を投げ捨てること。また、その人。犠牲ぎせい。「企業間戦争の―になる」
[類語]犠牲償い代償えじき好餌捨て石身代わり人身御供スケープゴート

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精選版 日本国語大辞典 「生け贄」の意味・読み・例文・類語

いけ‐にえ‥にへ【生贄・犠牲】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「いけ」は生かしておく意の「いける」から )
    1. 生きものを生きたまま神に供えること。また、その供え物。〔十巻本和名抄(934頃)〕
      1. [初出の実例]「此国に験じ給ふ神の御(おは)するが、人を生贄に食也」(出典:今昔物語集(1120頃か)二六)
    2. ある物事、ある人のために生命や名利を投げ捨てること。犠牲(ぎせい)
      1. [初出の実例]「果敢ない犠牲(イケニヘ)の覚悟が、我知らず心の底に起って来るのでした」(出典:あめりか物語(1908)〈永井荷風〉酔美人)
  2. [ 2 ] ( 生贄 ) 謡曲。四番目物。廃曲。作者不詳。富士権現の使い、日の御子の神が生贄のくじに当たった旅の一家を助ける。

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