生垣(読み)いけがき

精選版 日本国語大辞典 「生垣」の意味・読み・例文・類語

いけ‐がき【生垣】

〘名〙 (「いけ」は生かしておく意の「いける」から) 庭木などの低木類を植えてつくった垣根
多聞院日記‐天文一九年(1550)八月二六日「坊之生垣、善阿み来沙汰了」

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デジタル大辞泉 「生垣」の意味・読み・例文・類語

いけ‐がき【生(け)垣/生け×籬】

丈の低い樹木を植え並べてつくった垣根。
[類語]垣根フェンス築地忍び返しまがき囲い外郭牆壁しょうへき

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世界大百科事典 第2版 「生垣」の意味・わかりやすい解説

いけがき【生垣 hedge】

生きた植物によってつくられた垣根。樹木を列植して,刈り込んで形を整えたものが多い。
[特徴と効用]
 他の垣根や塀に比べると物理的な強さが劣り,維持管理に手間がかかるが,造成時の経費が少なく,永続性があり,災害時の危険性が少ない。さらに重要なことは,生きた植物のもつ特性,すなわち生命感をもつ色彩の美しさ,変化性,柔軟性,適応性,総合性などから観賞用,装飾用としてもすぐれた特徴をもつ。またその効用には,境界を区別する,外部からの侵入を防止する,内部を遮へいする,防風・防火など災害を防止する,自然感を強め景観をよくする,植物の活動による微気象調節,酸素生成,植物体の有害成分・塵埃じんあい)の吸収・吸着などによる大気浄化,適度の通風など環境保全・改善の働きが大きいなどがある。

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百科事典マイペディア 「生垣」の意味・わかりやすい解説

生垣【いけがき】

樹木を並べ植えて作る垣根。刈り込んで整形する場合が多く萌芽(ほうが)力が強く,手入れが容易で病虫害に強い常緑樹が一般に選ばれる。目的条件に応じマサキ,カナメモチ,ツツジチャイヌツゲ,サワラ,またとげのあるピラカンタ,バラ,カラタチなど。
→関連項目桂垣

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世界大百科事典内の生垣の言及

【為替ヘッジ】より

…この先物ドル買い(先物円売り)によって,輸入契約に盛られたドル債務の円価値が,輸入契約締結時において確定する。 以上が先物カバーの概略であるが,これに対し,ヘッジhedgeの場合は,〈外貨建債権(債務)の保有者が為替リスクを回避するために,同額の外貨建債務(債権)を負う〉という,より広い意味に用いられる場合が多い。たとえばドル建ての長期債権をもつ日本の会社が,ドル切上げによる損失を避けるために,ドル建ての株式・社債等を発行し,外貨建ての債権・債務を等しくしておく場合などがヘッジと呼ばれる。…

【垣】より

…そのうち,檜垣(ひがき)はヒノキの薄板を網代(あじろ)のように編んだものを木製の枠に張ったもの,透垣(すいがき)は割竹を縦に編むように木製の枠に張ったもので,立蔀(たてじとみ)(格子に薄板を張ったもの)とともに建物の近い周囲に多く用いられた。そのほか中世の武士や庶民の住いなどでは,枝つきの木を人字形に組んだ鹿垣(ししがき)や柴垣,竹を編んだ垣,木枝や竹を格子状に組んだ籬(まがき),種々の樹木を植えた生垣(いけがき)が多く用いられた。 江戸時代の城下町につくられた武家屋敷でも,屋敷の周囲には,築地のほかにいろいろな生垣が用いられた。…

【塀】より

…しかし古代には都市そのものが市壁で守られ,人家は稠密(ちゆうみつ)に建てられていたので,市内の建物に塀をめぐらすことはまれであった。他方,市外の農場や牧場は石や土を積んだ石垣や土塁,あるいは灌木の生垣で囲んで,動物の侵入や逃亡を防いだ。また,古代ローマのウィラも,もちろん塀や石垣で囲まれていた。…

※「生垣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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