家庭医学館 「生理的黄疸」の解説
せいりてきおうだん【生理的黄疸 Physiological Jaundice of the Newborn】
新生児にみられる生理的黄疸は、90%前後の新生児におこります。その発生ピークは日本人の場合、日齢5~6で、血中(けっちゅう)の総ビリルビン値が1dℓ中13プラスマイナス4mgに達し、その後減少します。ところが、生後2週間以上黄疸が続くことがあります。これが遷延性(せんえんせい)黄疸(「遷延性黄疸」)です。生理的黄疸は、胎児赤血球(たいじせっけっきゅう)の崩壊や、肝臓へのビリルビン抱合(解毒作用)が出生後数日間は低いことが原因と考えられています。
[治療]
生理的黄疸のなかでも、血中のビリルビン値が一定の基準を超えて高くなった場合(成熟児では通常、1dℓ中16~18mg以上)は、特発性高(とくはつせいこう)ビリルビン血症(けっしょう)と呼ばれます。
予防的にからだに光線をあて、ビリルビンの処理を促進する光線療法が行なわれますが、その基準は新生児の日齢、出生体重、呼吸状態などによって異なります。光線療法を行なってもビリルビン値の上昇が止まらない場合には交換輸血が行なわれます(コラム「新生児黄疸」)。