生馬(読み)イケマ

デジタル大辞泉 「生馬」の意味・読み・例文・類語

いけま【生馬】

アイヌ語で巨大な根の意》キョウチクトウ科蔓性つるせい多年草山地自生。根は太く、地中にまっすぐに伸びる。葉は長い柄があり、心臓形。夏、白い小花を多数開く。実は細長く、種に絹糸状の毛がある。根は有毒であるが、中国白首烏びゃくしゅうといい、利尿剤などにする。

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精選版 日本国語大辞典 「生馬」の意味・読み・例文・類語

いけま【生馬】

  1. 〘 名詞 〙 ( [アイヌ語] ikema ) ガガイモ科のつる性多年草。各地の山地に生える。根は紡錘形で大きい。葉は長さ五~一五センチメートル、幅四~一〇センチメートルの心臓形で先がとがり、長い柄をもち、対生する。夏、葉腋(ようえき)から葉柄よりもやや長い柄を出し、その頂に白色の細かい花を多数散形状につける。果実は長さ八~一〇センチメートル、幅一センチメートルと細長いさやで、種子一端に多数の白い冠毛があり、これで飛散する。根に脳痙攣(けいれん)を起こす一種アルカロイドを含み、漢方では利尿薬とする。漢名には「牛皮消」を用いる。〔物類品隲(1763)〕

いき‐うま【生馬】

  1. 〘 名詞 〙 生きている馬。生きていて元気のよい馬。
    1. [初出の実例]「轡をもはめずして、生馬をひっすくめて騎ぞ」(出典:古文真宝笑雲抄(1525)二)

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普及版 字通 「生馬」の読み・字形・画数・意味

【生馬】せいば

悍馬

字通「生」の項目を見る

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動植物名よみかた辞典 普及版 「生馬」の解説

生馬 (イケマ)

学名Cynanchum caudatum
植物。ガガイモ科のつる性草本,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の生馬の言及

【イケマ】より

…南千島,北海道から九州および中国に分布する。和名は足,根を意味するアイヌ語に由来するが,誤って生馬の字を当て,根を家畜,特に馬の薬として用いた。根をさいて乾燥したものを漢方で牛皮消根と呼び,強心利尿薬とする。…

※「生馬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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