番頭新造(読み)バントウシンゾウ

デジタル大辞泉 「番頭新造」の意味・読み・例文・類語

ばんとう‐しんぞう〔‐シンザウ〕【番頭新造】

江戸吉原の遊郭で、太夫に付き添って、身のまわりの世話外部との交渉をした新造。番頭女郎。番新。ばんとうしんぞ。

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精選版 日本国語大辞典 「番頭新造」の意味・読み・例文・類語

ばんとう‐しんぞう‥シンザウ【番頭新造】

  1. 〘 名詞 〙 吉原遊郭で、花魁について身のまわりや外部との応対など諸事世話をする新造。袖留めをし、眉毛をそらず、紅白粉で化粧しないのが特徴。世話女郎。番新。番頭。ばんとうじょろう。ばんとうじょうろ。ばんとうしんぞ。
    1. [初出の実例]「傾城一同は正面格子下の床几に、番頭新造、振袖新造は下手の床几に掛ける」(出典:歌舞伎・助六廓夜桜(1779))

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世界大百科事典(旧版)内の番頭新造の言及

【新造】より

…これとは別に,かむろを経ずに雇われてすぐに新造となるものがあり,この新造は売春をした。また,〈番頭新造〉は袖留をしたまま姉女郎の身辺を世話する役で〈世話新造〉ともいい,京阪ではこれを〈引舟(ひきふね)〉と称した。なお,江戸時代の武家や町家では妻女を御新造(ごしんぞう)とよぶことがあり,またときには結婚前の少女を新造といった。…

※「番頭新造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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