精選版 日本国語大辞典 「異化」の意味・読み・例文・類語
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生物体が、化学的に複雑な物質をより簡単な物質に分解する過程をいう。逆に、生物体がより簡単な物質から化学的に複雑な物質を合成する過程を同化という。異化作用は、食物として摂取した物質の細胞外(消化管内など)消化に始まり、この段階で、炭水化物、タンパク質、脂質はそれぞれ主としてブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸とグリセリンなどに分解され、吸収される。これらの物質は、次に細胞内に取り込まれ、さらに分解されたり、生体物質合成の原料として使われる。生命活動のエネルギー源として重要なのはブドウ糖と脂肪酸で、細胞内で水と炭酸ガスにまで分解され、このとき放出される多量の結合エネルギーは、分解過程に共役(きょうやく)したアデノシン三リン酸(ATP)合成反応によりATPの高エネルギーリン酸結合の形で効率よく保存される。アミノ酸やグリセリンなども分解の中間産物がブドウ糖や脂肪酸の分解経路に入って同様に分解される。エネルギー獲得、すなわちATP形成は主としてミトコンドリアで行われるが、そのミトコンドリアは細菌類、藍藻(らんそう)を除くすべての細胞に存在する。異化作用の最終段階は酸素による酸化反応であり、呼吸により生体内に取り入れた酸素が用いられる。これを細胞呼吸という。運動、増殖、そのほか細胞の生活活動、生命維持に必要なエネルギーはすべて異化作用により獲得され、ATPとして細胞活動を支える諸反応に利用される。
[嶋田 拓]
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…その意味では,そもそもこの演じる者と見る者の関係自体が一つの遊戯なのであるが,この遊戯性としての虚構性は,少なくとも見ている者の側において相矛盾する二つの欲望に貫かれ,かつそれに脅かされている。それを〈同化〉と〈異化〉という概念で表すなら,まず観客の内部には,〈見ているものが限りなく現実に近く,現実そのものであれ〉という虚構と現実の同一視の欲望と,〈見ているものに完全に同化したい〉という欲望があり,前者はすでに触れた古代ローマの闘技士や公開の処刑,現代ならポルノ・ショーなどに見受けられ,後者は〈共同体の構成員が祝祭の狂喜乱舞のうちに一体感を味わう〉という演劇の始原的形態の幻想に通じる。と同時に,通常は,このような同化はあくまでも演劇という約束事の内部のことだと自覚されていて,それを異化して見る視点をどこかに保つものであり,それが意識的・知的な作業となればB.ブレヒトの説く〈異化〉作用であるが,多くの場合は,ちょうど夢の中にあって,自分が行為者であると同時に観客でもあり,かつしばしばそれが夢であることを知りつつ夢を見ているという,あの人格の二重化に似た同化と異化の使い分けをしているのである。…
…【福井 芳男】
[フォルマリズムに始まる詩学の発展]
〈詩学〉という言葉は,一般には詩の韻律・言語の分析や研究をいうが,構造主義の登場以後はとくにロシア・フォルマリズムに始まる詩,そして一般に文学テキストの構造的研究とその理論をさす。ロシア・フォルマリズム(1910年代後半に発足)は,世界の明視(ビジョン)の創造を芸術の目的とし,その方法は異化(V.シクロフスキーによる。ロシア語ではオストラネーニエostranenie)であるとした。…
… 33年2月27日の国会放火事件の翌日亡命したブレヒトは,同年暮にデンマークに落ち着くまでの間にも,バレエ劇《七つの大罪》や寓意劇《まる頭ととんがり頭》を執筆した。そこでは異化という手法が有効な手段として追求されるようになる。亡命の地,デンマークのスベンボルでのW.ベンヤミン,K.コルシュらとの交流はよく知られているが,そこで彼は反ファシズム運動の活動を続け,《第三帝国の恐怖と貧困》や《カラールおばさんの鉄砲》を書いた。…
…すなわち,〈何が〉書かれているかではなく,〈いかに〉書かれているかがまず問題とされた。シクロフスキーの言を借りれば,芸術の目的は事物を異化・非日常化することにあり,知覚を困難にし長びかせるのが芸術の手法である。すなわち〈手法こそが唯一の主人公〉であった。…
※「異化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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