(読み)ツウ

デジタル大辞泉 「痛」の意味・読み・例文・類語

つう【痛】[漢字項目]

[音]ツウ(慣) [訓]いたい いたむ いためる いたく
学習漢字]6年
体がいたむ。いたみ。「痛覚痛痒つうよう胃痛苦痛激痛陣痛頭痛鎮痛疼痛とうつう鈍痛腰痛
心がいたむ。悲しむ。「哀痛心痛沈痛悲痛
程度がはげしい。いたく。「痛飲痛快痛切痛烈痛論

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精選版 日本国語大辞典 「痛」の意味・読み・例文・類語

いた【痛・甚】

  1. ( 形容詞いたい」の語幹 )
  2. 程度のはなはだしいさま。激しいこと。ひどいこと。→いとういたくいたも
    1. [初出の実例]「伊多(イタ)泣かば 人知りぬべし」(出典古事記(712)下・歌謡)
    2. 「ほととぎす間しまし置け汝が鳴けば吾が思(も)ふこころ伊多(イタ)もすべなし」(出典:万葉集(8C後)一五・三七八五)
  3. 世話のやける相手を見下げあざける感情を表わす。ひどいこと。やっかいなこと。
    1. [初出の実例]「あな、いたのやつばらや。まだしらぬか」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)三)
  4. 肉体的または精神的に苦痛なさま。いたいこと。
    1. [初出の実例]「あないたとよ、これもててはかなしがりてか」(出典:たまきはる(1219))

痛の語誌

副詞「いと」とは母音交替の関係で、語源的につながるものと思われる。は副詞とも扱えるが、上代において既に用法が固定化しており、「万葉集」ではすべて「も」を伴い、ほとんどが「いたもすべなし」及び「いたもすべなみ」である。ただに示した「いた泣かば」や、「板(いた)も風吹き」〔万葉‐二三三八〕などから、形容詞の修飾に限られる「いと」と異なり、古く「いた」は動詞・形容詞ともに修飾する用法をもっていたと考えられる。


つう【痛】

  1. 〘 名詞 〙 からだに故障がおきて痛いこと。また、その痛み。
    1. [初出の実例]「脈状も外邪の類、痛の類、大抵常人もわかるるといふより見れば」(出典:十善法語(1775)五)

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栄養・生化学辞典 「痛」の解説

 疼痛ともいう.痛み.

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