はつ‐でん【発電】
※改正増補物理階梯(1876)〈
片山淳吉〉下「其発電し易き物を電気を発する体と云ひ」
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デジタル大辞泉
「発電」の意味・読み・例文・類語
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発電【はつでん】
機械的エネルギー,熱エネルギーなどを電気的エネルギーに変換すること。日本では従来水力発電が主であったが,火力発電の効率が高まって水力と交替するようになり,さらに現在は原子力発電の比重が大きくなった。他に地熱発電,波力発電,風力発電,熱併給発電(コジェネレーション)などが局地的・実験的に行われている。フランスでは潮力発電が実用化され,各国でMHD発電の研究が進められている。熱電子発電,熱電発電などの直接発電の研究も行われ,日本では燃料電池発電が実証実験中で実用化が有望。また太陽熱発電は実用化を断念したが,太陽電池による太陽光発電は実証運転と一部実用化がなされた。1997年6月に施行された〈新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法〉(新エネルギー法)では,太陽光,燃料電池といった新しいエネルギーの普及を目的に,消費者や事業者に新エネルギー導入に努力することを促している。また,政府の新エネルギーの導入目標では2010年度に太陽光発電460万kW,風力発電15万kWなどとしている。一方1998年,温暖化防止対策を折り込んだ長期エネルギー需給見通しが改訂され,2010年に炭酸ガス排出量を1990年水準に抑えることが最重要課題となった。地球温暖化防止の流れは紆余曲折を経ながらも世界的に取り組まなければならないという合意は形成されつつあり,こうした流れのなかで,2000年代に原子力発電が見直され,新プラントの建設や導入計画が世界的に進められ〈原発ルネッサンス〉ともいわれる現象が起こった。しかし,2011年3月に起こった福島第一原発の大事故は,世界に衝撃を与え,各国のエネルギー政策は根本的な見直しを迫られている。原子力発電の再開を打ち出していたドイツは,福島第一原発事故を受けて,脱原発依存政策に再転換した。
→関連項目電気事業|電源|電源三法
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はつでん【発電 power generating】
力学的エネルギー,熱エネルギー,核エネルギー,その他のエネルギーを電気エネルギーに変換すること。大規模な発電は現在のところ水車や蒸気タービンなどの原動機を利用して発電機を回転して行うものが主体であって,水力発電,火力発電,原子力発電などと呼ばれる。水力発電は水の高低差を利用して水車によって発電機を回転させるもの,火力発電は石炭,石油,天然ガス(LNG)などの化石燃料をボイラーで燃やして得られる高温・高圧の蒸気でタービン発電機を回転させるもの(厳密にはこれは汽力発電といい内燃機関などを利用する他の火力発電と区別している),原子力発電は火力発電の化石燃料の代りに核燃料を使用し核分裂反応の熱エネルギーで蒸気を発生してタービン発電機を回転させるものである。
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