白人（読み）ハクジン（英語表記）white

デジタル大辞泉

はく‐じん【白人】

１ 白色人種に属する人。
２
㋐物事に未熟な人。不慣れな人。しろうと。
「京の色里にて手弱き客を―と言へり」〈浮・常々草〉
㋑江戸時代、京都の祇園や大坂の曽根崎などにいた私娼ししょう。しろうと。はく。
「曽根崎の茶屋、紀伊国屋の小春といふ―に」〈浄・天の網島〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

はく‐じん【白人・素人】

1. 〘 名詞 〙
2. ① ( 白人 ) 病的に、または先天的にからだ中が白い人。色素を欠き全身が白いもの。しろこ。
   1. [初出の実例]「紀伊国言、伊都郡人六人部由貴継生_二白人男女二人_一〈略〉両児生而肌膚鬂髪眉眼挙身純白如_レ雪」(出典：日本三代実録‐貞観八年（866）七月二五日)
3. ② ( 「白人(しろうと)」の音読み )
   1. (イ) 物事に熟達していない人。また、それを職業・専門にしていない人。
      1. [初出の実例]「京の色里にて手よはき客をはくじんといへり。是素人(しろと)の事也」(出典：浮世草子・新吉原常々草（1689）上)
   2. (ロ) 江戸時代、京都の祇園町や大坂の島の内・新地などの私娼の異称。歌曲などの芸がないところからという。
      1. [初出の実例]「風呂屋・素人(ハクジン)をしのび連れて」(出典：浮世草子・西鶴織留（1694）六)
4. ③ 「はくしょくじんしゅ（白色人種）」の略。
   1. [初出の実例]「亜米利加の土人が白人に逐はれたるが如きは」(出典：文明論之概略（1875）〈福沢諭吉〉一)

白人の補助注記

( ②(ロ)について ) ( 1 )貞享三年（一六八六）刊の西鶴の「男色大鑑‐六」に「土手町の素人(しろと)」とあり、貧しい農民や雑喉売・駕籠かきなどの娘に遊び宿で客を取らせたのがはじまり。
( 2 )大坂では島の内と曾根崎新地に限って白人の称を用いたが、のちには風呂屋女から白人に鞍替えする者も多くなる。

しら‐ひと【白人】

1. 〘 名詞 〙 しら肌の人。しろなまずのある人。また、白子(しろこ)のこともいう。
   1. [初出の実例]「国都罪と生秦断。死膚断母犯罪。己子犯罪。畜犯罪。白人。古久彌」(出典：皇太神宮儀式帳（804）)

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

白人
はくじん
white

いわゆる三大人種の一つであるコーカソイドの俗称で、明色の皮膚をもつ欧米人をさす。しかし、インド人などはコーカソイドではあるが皮膚色が濃いため、一般には白人とよばれない。

［香原志勢］

[参照項目] | コーカソイド

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

普及版 字通

【白人】はくじん

平民。

字通「白」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

白人
はくじん

「コーカソイド」のページをご覧ください。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典