はく‐ち【白地】
[1] 〘名〙
② (「はくぢ」とも) 家や
樹木のない
土地。さらち。
※
吾妻鏡‐文治五年(1189)八月八日「始
二梵宇営作
一。先白地立
二仮柱四本
一」
※評判記・
色道大鏡(1678)
一四「白地
(ハクチ)の女のいと初心なるりんきだて」
※清原国賢書写本荘子抄(1530)一「
智恵を消して白地の
凡夫になりかへる処が干要ぞ」
[2] 〘副〙
① ただちに。にわかに。すぐさま。あからさまに。
※
兵範記‐仁安三年(1168)一〇月八日「徒送数日、度々雖申上、其事不行之故、白地帰京云々」
② わけもなく。なんとなく。みだりに。〔李白‐越女詞〕
しろ‐じ ‥ヂ【白地】
〘名〙
①
織物の地の白いこと。また、そのもの。《季・夏》
※
たまきはる(1219)「しろちのにしきの二つ御小袖」
②
地質の白いこと。また、そのもの。白く
無地であるもの。
※
今昔(1120頃か)二〇「師の
聖人の常に酢入れて置たりける、白地
(しろぢ)の
小瓶(ちひさきかめ)の有けるが」
③ きむすめ。しらじ。
しら‐じ ‥ヂ【白地】
〘名〙
① 紙や布などの、まだ書いたり染めたりしていない白いもの。しろじ。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
※長唄・百千鳥娘道成寺(1744)「元の白地にして戻しや」
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デジタル大辞泉
「白地」の意味・読み・例文・類語
はく‐ち【白地】
1 白い生地。しろじ。
2 建造物・立木の立ってない土地。また、法律上の調査・規制などのなされていない土地。さらち。「白地地域」
3 芸娼妓などに対して、素人。
「―の女のいと初心なるりんきだて」〈色道大鏡・一四〉
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普及版 字通
「白地」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
白地
はくち
徳島県北西部、三好(みよし)市池田町の一地区。四国山地を横切って北流する吉野川が流路を東方に転じる左岸に位置し、右岸の中西とともに渡津(としん)集落として栄えた。現在は三好橋、池田大橋、徳島自動車道の池田へそっ湖大橋が架設されている。吉野川畔には一軒宿の温泉の白地温泉がある。戦国時代には三好長慶(ながよし)の一族大西氏の居城である白地城があった。
[高木秀樹]
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