精選版 日本国語大辞典 「白血球」の意味・読み・例文・類語
はっ‐けっきゅう ハクケッキウ【白血球】
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血液中に含まれる有形成分の一つ。白血球の数は血液1立方ミリメートル当り6000~8000個で、赤血球数の500ないし1000分の1ほどである。しかし、その種類は豊富で、原形質内に顆粒(かりゅう)をもった顆粒白血球として中性好性、酸好性、塩基好性白血球があり、無顆粒白血球としてリンパ球、単核細胞がある。そのうち、中性好性白血球(好中球)が全体の約60%、リンパ球が30%を占める。白血球の働きは生体の防御作用にある。その作用の第一は、侵入した細菌、異物などを貪食(どんしょく)することである。このため、白血球は目的の場所までアメーバ運動によって到達しなければならない。この性質を遊走性といい、中性好性白血球がとくに優れている。一方、単核細胞は遊走性は鈍いが、細菌を貪食する力は中性好性白血球の10倍もある。したがって、前者は急性、後者は慢性感染のときによく増えるという特徴がある。第二の白血球の働きは、免疫による生体の防御作用である。これはリンパ球の働きによる。そのうちTリンパ球(T細胞)とNK細胞は細胞免疫によって、直接侵入した外敵やウイルス感染した細胞を攻撃する。一方、Bリンパ球(B細胞)は免疫グロブリンをつくることによって、細菌、毒素などの作用を無力化する。免疫グロブリンにはIgM, IgG, IgA, IgD, IgEの5種類がある。このように、白血球は生体を防衛するうえでたいせつな成分であるから、白血球数が1立方ミリメートル当り5000以下になると危険な状態となる。とくに、顆粒白血球減少症の場合、2000以下となると身体の抵抗が極度に衰え、死亡率が高くなる。白血球は、血管内からどんどん組織に出ていくため、その寿命を正確に測定することは困難であるが、一般には、顆粒白血球で10日前後、リンパ球の大部分は100~200日、一部は3~4日と推定されている。
[本田良行]
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…1793年J.ハンター(スコットランドの外科医)は,炎症とは病気ではなく,個体に有益な効果を起こすための反応〈生体防御反応〉であるという考えを導入した。コーンハイムJulius Cohnheim(1839‐84)は,炎症の起こる経過をカエルの腸間膜を用いて顕微鏡で観察し,炎症の初めに血管が拡張し,次いで血液の流れが変化し,そして白血球や血清が血管からしみ出る(滲出という)ことを記載し,炎症の実験的研究の口火を切った。この観察は現在でも確認されている重要な知見であった。…
…組織の損傷部に多量の好中球が集まり,組織の融解が起こり,局所に濃厚な液を貯留することをいう。この濃厚な滲出液を膿(うみ)といい,その内容は,多量の白血球,生菌や死菌,繊維素,液性成分,細菌,組織や白血球の崩壊産物,それに由来するコレステロール,レシチンなどの脂質,多量のDNAから成る。化膿の原因は細菌感染が最も多いが,白血球の走化をひき起こすような化学物質によっても無菌的な化膿が起こる。…
…無脊椎動物の血球は一定の細胞回転をとらずランダムに産生されるが,一部の進化した動物群では脊椎動物の造血に類似した細胞回転のあることが知られている。鳥類までの脊椎動物の血球は,最も未分化な円口目メクラウナギ類を除き,赤血球,リンパ球と顆粒(かりゆう)球(この二つを合わせて白血球ともいう)および栓球の4種類が区別される。形態学的に,これらの動物では赤血球と栓球はともに有核細胞で,ともに血管内で産生される。…
…主として化膿性の細菌(ブドウ球菌,連鎖球菌,肺炎双球菌,髄膜炎菌,リン菌)の感染により生ずる炎症である。初期は白血球のうちの好中球の集まったものであるが,しだいに組織の融解壊死を伴って大きくなる。このときのうみの成分は好中球のみならず壊死に陥った組織や死滅した細菌および滲出液から成っている。…
…認知すべき原因もなく白血球系のある細胞が無制限に増殖し,これら増殖した白血球が血液中に出現ないし増加する病気。血液の悪性腫瘍ともいうべき病気である。…
※「白血球」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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