目刺し(読み)めざし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「目刺し」の意味・わかりやすい解説

目刺し
めざし

マイワシカタクチイワシを10%程度の食塩水に一夜浸漬(しんし)後、竹またはプラスチック製の串(くし)を左眼から下あごへ通し日干ししたもの。主として千葉県でつくられる。最近は甘塩のものが好まれるので、冷蔵庫で貯蔵する。関東では水分の多い生干しが好まれ、関西はよく乾いたものを好む。体が銀白色に輝き、腹が切れず、油の少ないものが良品である。

[金田尚志]

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世界大百科事典 第2版 「目刺し」の意味・わかりやすい解説

めざし【目刺し】

イワシなどの塩干品。数尾を並べてその目の部分を竹,わらなどで刺し連ねたもの。えらを通したものをえら刺し,頰(ほお)刺しと呼ぶ。目刺しの名称室町時代からあり,シラウオ,ハヤ,フナなどでもつくられており,中には素干しのものもあった。干物(ひもの)鈴木 晋一】

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「目刺し」の意味・わかりやすい解説

目刺し
めざし

保存食品の一種。小型の魚を 10%ぐらいの塩水に1晩漬けたあと,竹またはあしの串で両眼を刺して3~5尾を1串として乾燥させたもの。魚はうるめいわし,真いわしなどが多く,小あじなども使われる。同様な方法で口腔内に刺したものをえら刺し,尾を刺したものを尾刺しという。千葉県が産地として有名。

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世界大百科事典内の目刺しの言及

【イワシ(鰯∥鰮)】より

…料理書には青鰯というのも見えるが,これは薄塩で青いものをいった。現在,加工品としては,マイワシとウルメイワシが目刺し,丸干し,みりん干しなどの干物やオイルサーディンの缶詰にされる。〈ひしこ〉とか〈しこいわし〉とも呼ばれるカタクチイワシはごまめや煮干しのほか,稚魚は白子(しらす)干しやたたみイワシにされる。…

※「目刺し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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