精選版 日本国語大辞典 「相対性理論」の意味・読み・例文・類語
そうたいせい‐りろん サウタイ‥【相対性理論】
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アインシュタインにより提唱された特殊相対性理論と一般相対性理論の総称。特殊相対性理論は、ニュートン力学と光の電磁気理論との矛盾を時間・空間の考え方に新概念を導入して解決したもので、1905年に発表された。この理論は電磁気の理論の基礎を明らかにしたばかりでなく、その後に発展した原子核・素粒子の研究の手段として活躍した。一般相対性理論は、1916年に完成された理論で、重力の相対論的理論の一つであり、特殊相対性理論と異なり、まだ完全に実証された理論ではない。
物理法則が、それを表現する座標系が変換しても形が不変であるところから、あらゆる座標系は互いに対等であり、相対的であるというのが相対性理論の意味である。「特殊」とは、この座標系の変換を等速運動という特殊なものに限っているという意味であり、「一般」とは、加速度をも含む一般運動の変換に一般化されているという意味である。
一般相対性理論は、重力が支配的な役割を演ずる宇宙現象、とくに膨張宇宙論やブラック・ホールなどの解明に大きく寄与している。また、素粒子物理学における力の統一理論(統一場理論)の試みのなかでも重要な理論になっている。
[佐藤文隆]
ニュートン力学にも相対性理論が存在するが、この理論の基礎の一つは、ガリレイによって最初にみいだされた慣性の法則である。すなわち、力が働かなければ運動量(質量と速度の積)は一定にとどまるという法則である。この法則が成り立つ一つの座標系Kがあったとして、このKに対して等速運動をしている座標系K'においても慣性の法則が成立する。運動の方向をx座標方向に選ぶとすれば、K系の座標(t,x,y,z)とK'系の座標(t',x',y',z')との間には一定速度をvとして
t'=t, x'=x-vt,
y'=y, z'=z (1)
の関係がある。
ニュートン力学の第二法則は、力(F)と加速度(a)の間にma=Fの関係があるというものである。ここでmは質量。K系とK'系では加速度は変化しないため、a'=aであり、この法則はこのような座標変換に対して不変にとどまる。このことを、(1)式のようなガリレイ変換に対して、ニュートン力学は相対性原理を満たすという。また、このような相対性原理はガリレイの相対性原理ともよばれる。
この問題の発端は、ガリレイの地動説とも関連している。コペルニクス説は、その後の宇宙論と物理学にさまざまの影響をもたらしたが、その一つが地動説である。ガリレイはこの問題を地上における運動学の問題と同一次元で論ずることによって、慣性の法則を発見したのである。地球が秒速30キロメートルの高速で動いているにもかかわらず、その運動を容易に感知することができないことの説明は、この相対性原理によって初めて可能なのである。ガリレイは『天文対話――プトレマイオスとコペルニクスとの二大世界体系についての対話』(1632)という著書において、第2日目の討論でこの問題を取り上げている。そのなかで、ガリレイは、大地の運動と船の運動を対比させて、いかにこれらの等速運動を感知するのが不可能であるかを説いている。
[佐藤文隆]
光は干渉や回折をする現象から、振動であることが認識され、光の電磁気理論はこれを電場・磁場の振動として記述することに成功した。初め、この振動は空間に充満している媒質の力学的運動の結果として生ずるものと考えられ、このような仮想的な振動媒質にエーテルという呼び名が与えられた。光は他の星からもやってくるため、このエーテルは宇宙空間にも充満しているはずであると考えられた。
一方、地球も他の天体も、このエーテルに対して一般には運動をしている。したがって、エーテルにおこっている振動を、それに対して異なった運動をして観測すれば、一般に振動は異なってみえる。この原理を用いて、エーテルという電磁波の媒質の静止系をみいだそうという試みが、19世紀後半にいくつも行われたが、これらはすべて失敗に帰した。たとえばフィゾーは、流れる水にエーテルが引きずられるかどうかを実験し、マイケルソンとE・W・モーリーは、地球の運動方向によって光の速度がどう異なるかの実験を行っている。
[佐藤文隆]
もしも光の現象を通じてエーテル静止系が観測されたとすれば、それは光の現象、さらにその基礎である電磁気現象について、相対性原理が成立しなくなることを意味する。なぜなら、エーテル静止の座標系は一つの絶対的な意味をもち、すべての座標系が対等でなくなるからである。しかし、エーテル静止系は発見できなかった。相対性原理は依然として成立しているのである。ところが、マクスウェルの電磁気学は、ガリレイ変換に対する相対性原理を満たしていない。このような、ニュートン力学と、当時は新興の理論であった電磁気学との間の矛盾は、H・A・ローレンツやJ・H・ポアンカレによっても指摘されていた。
こうした状況のなかで、アインシュタインは、この矛盾の解決法を時間・空間の新しい概念に求め、
〔1〕新しい相対性原理が力学と電磁気学をも含むすべての物理法則に対して成立する
〔2〕光の速さは慣性系で一定である
の二つを基礎に特殊相対性理論を築いた。ここで慣性系とは、力が働かなければ一定速度で運動するような座標系をいう。
特殊相対性理論では、座標変換は(1)式のガリレイ変換ではなく
というローレンツ変換式に変更しなければならない。これにより電磁気学はこの座標変換に対して不変であり、力学法則はこれに対して不変であるように変更された。(2)式は速度vが光速cに対して十分に小さければ、近似的に(1)式に一致することになる。このことからもわかるように、変更された相対論的な力学は、速度が光速に比べて十分小さければ、ニュートン力学の法則と近似的に一致する。しかし、電磁気学にはつねに光速が関与しているため、ニュートン力学のような非相対論的な近似理論は存在しない。
[佐藤文隆]
ローレンツ変換式(2)の特徴は、時間も座標変換によって変換されることである。このため、離れた場所における二つの事象の同時性が相対的になる。たとえば、K系のA点(xA,0,0)とB点(xB,0,0)で同時刻tA=tBに、ある事象がおきたとする。ところが、(2)式によればtA'≠tB'になる。すなわち、K'系ではこれらの事象は同時におきていないことになる。同時刻であるかどうかは座標系によって異なる相対的な概念なのである(
)。 同時刻の相対性は必然的に長さの相対性をも引き起こす。ある棒の長さは、両端が同時にある空間座標の差で決まる。ところが、両端の同時性は、それを観測する座標系によって異なる。したがって、棒が運動してみえる座標系で測った長さは、速度によって変化することになる。速度vで運動している棒の長さlは、静止している場合の長さl0に比べて
のように短くなる。これをローレンツ収縮という。
また、(2)式でわかるように、K系に静止している物体で、経過する時間TとK'系における時間T'との間には、
の関係がある。K'系からみれば、この物体は動いているため、動いている物体のうえでは事象がゆっくり進行することを表している( )。たとえば、ある寿命で崩壊する素粒子の寿命は運動していると長くなる。
[佐藤文隆]
ある物体のK系における速度wとK'系における速度w'の間には
という速度の合成則が成り立つ。特別な場合として、w=cとすればw'=cとなり、どの座標系でも光速は一定であることが確かめられる。これは、光が静止してみえる慣性系は存在しないことを意味する。すべての慣性系では光速は一定であるという法則が成立するのである。つまり、光速に近い速度で運動する素粒子が崩壊して光を発する場合も、けっして速度の加算になるのではなく光速のままであることが、実験により検証されている。
[佐藤文隆]
力学法則は特殊相対性理論に適合するように修正されたが、その結果、明らかになった重要な概念に質量エネルギーがある。これは質量mとエネルギーEは等価であって、E=mc2のエネルギーを含むということである。運動量pの粒子の全エネルギーは
で表される。光は質量がゼロの粒子として扱われる。
アインシュタインの関係式(4)は、原子核からの放射能エネルギーや素粒子の生成・消滅を理解する基礎を与えた。原子力エネルギーは、質量のわずかな部分がエネルギーに転化するものとして理解できる。また、γ(ガンマ)線により電子・陽電子対が生成される過程は、γ線のエネルギーが電子の質量エネルギーに転化したものとして理解される。また特殊相対性理論は、素粒子を場によって記述する基礎をも与えた。こうして質量をもつ素粒子も質量ゼロの光も同等に扱うことが可能になり、量子力学の確立とあわせて、今日における素粒子像の形成をもたらした。
[佐藤文隆]
ローレンツ変換式(2)より
-c2t'2+x'2+y'2+z'2
=-c2t2+x2+y2+z2
を確かめることができる。これは、時間と空間をいっしょにした四次元空間における「長さ」が、ローレンツ変換によって不変であることを示している。ただし、ここで「長さ」はユークリッド空間(縦、横、奥行の三次元の空間)の場合と異なり、2点間の座標差をdxμ(μ=0,1,2,3)とすれば「長さ」の2乗ds2は
ds2=ημνdxμdxν (5)
で表される。ここで添字μ、νは0から3までの和をとる。計量テンソルημνは、
η00=-1,η11=η22=η33=1
で、その他はゼロである。「長さ」がこのような計量テンソルで与えられる四次元の空間を、ミンコフスキー空間とよぶ。ローレンツ変換は、この空間における一種の回転として理解される。特殊相対性理論は、1907年のミンコフスキーによるこのような認識によって完成されたといえる( )。
[佐藤文隆]
ミンコフスキー空間における回転変換のローレンツ群に対して不変な表式が物理法則であるというのが、この理論の到達点である。そこで、このローレンツ群と等価な群に従うスピンという量が、ディラックにより導入され、このスピンは反物質の存在を明らかにし、電子などの素粒子を記述する場であることがわかった。このように、ローレンツ群に対する不変性の要請(公理)は、単に法則が従うべき規範であるだけでなく、物質存在そのものを演繹(えんえき)する法則として活躍したのである。さらに相対性原理から出発した法則の規定の仕方である、変換群に対する不変性の要請は、その後、時間・空間座標の変換を離れて広く用いられるようになった。
この考えは対称性の理論とよばれる。現在では、特殊相対性理論もこうした自然に存在する対称性の一つの発見であったと認識されている。その変換群は抽象的なローレンツ群であり、この群の座標という量についての特殊な表現が、運動座標系間の変換であるという見方になっている。
[佐藤文隆]
ニュートンの重力理論は相対性原理を満たしていないため、新しい重力理論が必要となった。アインシュタインは、慣性力と重力とは等価であるという実験事実に基づく等価原理を基礎として理論を組み立てた(
)。重力は万有引力とよばれるように、すべての物体に平等に働き、同様に、加速度に質量を掛けた慣性力もやはりすべてに平等に働く。この事実を用いれば、慣性系に対して加速度運動をする座標系をとれば、つねに重力を打ち消して無重力にできる。そして、無重力系での物理法則をそれに対して加速度運動する座標系で記述するのが、一般相対性理論の数学的構造である。 このように、慣性系でない一般座標系まで拡張して物理法則を表現するには、ミンコフスキー空間をリーマン空間に拡張しなければならない。リーマン空間の2点間の距離の2乗は
ds2=gμν(x)dxμdxν (6)
となる。ここでは計量テンソルgμνは場所と時間の関数である。座標系を変換すれば他の物理量もgμνも変換されるが、変換された新しい量の間には同じ関係が成立する。重力の作用は計量テンソルに表現されている。弱い重力の近似ではニュートンの重力ポテンシャル∅(x)は計量テンソルとg00=1-2∅(x)/c2のように関連している。このため重力がある場合には、このリーマン空間は一般には曲がった空間となる。
計量テンソルを決める法則は、重力ポテンシャルを決めるポアソン方程式を一般化したアインシュタインの重力場方程式である。
ここでRμνはgμνの二階微分を含むリッチ・テンソル、Tμνはエネルギー・テンソルである。Gはニュートンの重力定数で、この方程式は、エネルギーの分布によって四次元空間の計量テンソルが決まることを表している。時間・空間の構造は不動のものではなく物質の存在によって影響を受ける。このことはニュートンの絶対慣性系の考えを突き崩すものであり、19世紀末にマッハがニュートン力学の批判を通じて予言していたことであった。
1917年、アインシュタインは物質密度が一様な静的宇宙モデルをつくるために、重力の引力に対抗する普遍的な斥力(せきりょく)を仮定する必要性に気づき、前記の方程式(7)を次のように拡張した。
アインシュタインは、宇宙は閉じた空間であると考え、全宇宙空間の大きさが上式のλ(ラムダ)で決まるとした。この意味でλを宇宙定数(宇宙項)とよんだ。しかし、その後1929年にアメリカの天文学者ハッブルによって宇宙膨張が観測的に検証されて、宇宙項はあってもよいが不可欠なものではなくなった。宇宙項はTμνに組み入れて、真空のエネルギー密度と解釈できる。
一方、1960年代の後半に、素粒子の場の量子論による統一理論の試みのなかで「真空」の新しい考え方が提案され、現在の標準理論もこの真空理論を基礎にしている。この理論では真空は何もないことではなく、ヒッグス場という真空場が有限であるということである。
1980年代から、膨張宇宙の起源論として、大統一理論の真空場が宇宙項のように斥力に作用するとするインフレーション説の試みがなされてきた。また、超新星を標準光源とした距離測定法で、20世紀末には宇宙膨張が加速膨張であること、また2002年には宇宙マイクロ波背景観測衛星WMAPでの宇宙初期の密度ゆらぎの測定によっても、現在の加速膨張につながる宇宙のエネルギー密度で宇宙項に相当するダークエネルギーが卓越していることが確認された。ただし、このダークエネルギーの大きさは、存在がほぼ確かなヒッグス場や仮説的なインフレーション説の真空場の斥力の大きさより120桁以上小さいものであり、同質のものであるかどうかは明らかでない。
[佐藤文隆]
一般相対性理論が提唱された当時、その実験的検証とされたものは、次の三つであった。
(イ)スペクトル線の重力赤方偏移
(ロ)太陽重力での光径路の湾曲( )
(ハ)水星軌道の近日点の移動
(イ)は、初め太陽や白色矮星(わいせい)で測られたが、1960年になって地上重力でのγ線に対する効果としても測られている。(ロ)は、1919年の日食の際に初めて観測され、この理論の真価を広く世界に知らしめた。1970年代に入って、クエーサーからの電波についてもこの効果が測られている。またクエーサーが手前にあるブラック・ホールのレンズ効果で二つに見える現象もこの効果の一つである。(ハ)は、19世紀の天体力学が指摘していた問題に解決を与えたものであった。1960年代から1970年代にかけてマリナー、バイキングなどの人工天体を用いて、この効果が測られた。
1960年代に入って新しく加わった実験に
(ニ)レーダー・エコーの時間の遅れ
(ホ)人工衛星上のジャイロスコープの歳差運動
がある。(ニ)は、太陽近傍の空間が曲がっているため、そこを光が通過する時間が長くなる効果を測ったものである。(ホ)は、地球の自転に伴う新しい重力効果をみるものであるが、まだ検出に成功していない。
これらは、すべて太陽系内の実験であったが、1974年に発見されたパルサーの二重星のシステムは、(ハ)、(ニ)の効果の他の天体での観測を可能にした。(ハ)は、水星では100年に43秒角と小さいが、パルサー二重星では1年に4度角と3万倍も大きい。
[佐藤文隆]
一般相対性理論は、宇宙現象についても、いくつかの新しい事象を予言している。その一つは、星の進化の最終状態に現れる重力崩壊と、その結果として生ずるブラック・ホールの形成である。相対性理論の要請(公理)は、無限に固い物体の存在を否定する。このため、十分に重い天体はかならず収縮する。重力が強くなると、光でも捕捉(ほそく)されるようになり、星を形成するすべての物質は一点にまで圧縮されることになる。これを重力崩壊といい、途中で収縮を止めることはできないことが特異点定理で証明されている。
重力崩壊の際には、大量の重力波がミリ秒程度の短い時間にバースト状に放出される。その結果として、最終的に実現する重力場の構造は非常に単純なものに落ち着くと考えられている。その構造は、特異点が事象の地平線に囲まれたブラック・ホールになるという推測である。この仮定を宇宙検閲仮説という。この仮定が正しいとすれば、ブラック・ホールの形態は質量と角運動量だけで完全に決まることになる。
[佐藤文隆]
質量Mの物体が重力崩壊した場合、半径がrg=2GM/c2以下になると外から見えなくなり、半径rgの表面で囲まれる内部からは光も物体もいっさい外に出られなくなる。ただしこの表面を通過して光や物体は吸収される。このように吸収する一方であるという性格を表現するため、ブラック・ホールの名称が1970年ころから用いられるようになった。また、このように内部からの情報を外に出さない限界の表面は事象の地平線(または地平面)とよばれる。地平線内には、すでに見た物体が落下していくが、地平線内に入ってしまうと、その物体でおこるできごと(事象)が見えなくなるという意味である。宇宙検閲仮説が正しければ、ブラック・ホールの時空構造はシュワルツシルト時空、回転のある場合はカー時空で与えられる。カー時空はシュワルツシルト時空を特殊な場合に含んでいる。事象の地平線をもつブラック・ホールは、カー時空が唯一であると考えられている。
物理法則は、時間の反転に対して対称的であるので、吸収する一方のブラック・ホール解に対応して放出する一方のホワイト・ホール解も存在する。事象の地平線は今度はそこを通過して入れない面となる。ホワイト・ホールはそれをつくる過程がないため存在していないと考えられている。
[佐藤文隆]
宇宙全体の時間・空間構造も一般相対性理論により決定される。宇宙は時間的に拡大しつつある三次元の一様な曲率をもつ空間である。大域的にみて閉じた空間であるか否かは、ダイナミクス(動力学)だけからは決定できない。多連結の空間である可能性もある。また統一理論の観点から、宇宙空間を多次元空間の部分空間の面上に局限されているとみなす「ブレーンワールド(膜宇宙)」の考えも試みられている。
[佐藤文隆]
重力の量子効果は、プランク長さ
以下の超微視的世界で重要になる。この研究ではまたすべての相互作用の統一理論が試みられている。一般相対性理論は、この段階でより一般的な形の非量子論的な近似式であると考えられている。統一理論の試みでは多次元空間への拡張があり、それが四次元時空とコンパクトな内部空間に分離し、内部空間では素粒子相互作用の根拠となるゲージ対称性(ゲージ不変性ともいう。測定の基準を変えても物理法則が変わらないこと)が成立することとなる。また量子論を矛盾なく適用するために、空間は点の集合ではなく、超対称性をもつ二次元のひも(ストリング)の集合とみなす「超ひも理論(超弦理論もしくはスーパーストリング理論ともいう)」が展開されている。
[佐藤文隆]
『アインシュタイン著、矢野健太郎訳『相対論の意味』(1958・岩波書店)』▽『佐藤文隆、R・ルフィーニ著『ブラックホール――一般相対論と星の終末』(1976・中央公論社・自然選書)』▽『西尾成子編『アインシュタイン研究』(1977・中央公論社・自然選書)』▽『ウォルフガング・リンドラ著、小沢清智・熊野洋訳『特殊相対性理論』(1989・地人書館)』▽『S・ギビリスコ著、小島英夫訳『図説 アインシュタインの相対性理論――特殊および一般相対性理論と宇宙論』(1989・大竹出版)』▽『エル・ヤ・シュテインマン著、水戸厳訳『空間と時間の物理学』新装版(1989・東京図書)』▽『木村利栄・太田忠之著『古典および量子重力理論』(1989・マグロウヒル出版)』▽『冨田憲二著『相対性理論』(1990・丸善)』▽『アルバート・アインシュタイン著、金子務訳『特殊および一般相対性理論について』(1991・白揚社)』▽『マーティン・ガードナー著、金子務訳『相対性理論が驚異的によくわかる』改訂新版(1992・白揚社)』▽『砂川重信著『相対性理論の考え方』(1993・岩波書店)』▽『エルンスト・カッシーラー著、山本義隆訳・解説『アインシュタインの相対性理論』改訂新装版(1996・河出書房新社)』▽『松田卓也・二間瀬敏史著『なっとくする相対性理論』(1996・講談社)』▽『小玉英雄著『相対性理論』(1997・培風館)』▽『山下芳樹著『対話形式 相対論への探究――知的文化遺産として』(2000・コロナ社)』▽『佐藤文隆・小玉英雄著『一般相対性理論』(2000・岩波書店)』▽『窪田高弘・佐々木隆著『相対性理論』(2001・裳華房)』▽『講談社サイエンティフィク編、竹内薫著『ゼロから学ぶ相対性理論』(2001・講談社)』▽『恒岡美和著『明解 相対性理論入門――正しい理解を求めて』(2003・聖文新社)』▽『佐藤勝彦監修『図解 相対性理論がみるみるわかる本』(2003・PHP研究所)』▽『アインシュタイン、インフェルト著、石原純訳『物理学はいかに創られたか――初期の観念から相対性理論及び量子論への思想の発展』上下(岩波新書)』▽『内山龍雄著『相対性理論入門』(岩波新書)』▽『A・アインシュタイン著、内山龍雄訳『相対性理論』(岩波文庫)』
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アインシュタインによって提唱された物理学理論。特殊(1905年)および一般相対性理論(16年)がある。特殊相対性理論は質量とエネルギーの関係公式(「E=mc2」,光速の近くでは時間がゆっくりになる)で広く知られる。一般相対性理論は時間,空間,物質を対象とする壮大な学説で,1919年の日食の際に太陽近くでスペクトル線の屈折(重力赤方偏移)を観測,確認された。宇宙の誕生,発展,消滅(ブラックホール)を予測,説明する量子力学の理論的基礎となる。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…そこに7年間勤めたが,しごとの合間に行った理論物理学の研究は,20世紀物理学の基礎を築くことになった。すでに1901年から熱力学および統計力学に関する論文を発表していたが,05年に光量子仮説,ブラウン運動の理論,特殊相対性理論という,根本的かつ革命的理論を立続けに提出したのである。そのため,この年は〈奇跡の年〉といわれる。…
…天体に関する具体的知識はほとんど皆無であったものが,1838年に恒星の距離が測定され,19世紀後半には太陽や恒星,星雲の分光観測が進んで天体の物理・化学的な理解が増した。20世紀に入ると量子力学と相対性理論の二つの新しい物理学が興り,量子力学は天体からの光を解明する理論的手段を与え,1920年代から本格的な天体物理学が進展し,観測の発展と相まって太陽や恒星,星間物質や星間雲,星団や星雲に関する本質的な知識が得られるようになった。また原子核やその反応についての実験や量子力学的研究が進んだ結果,ベーテH.A.Bethe(1906‐ )とワイツゼッカーC.F.von Weizsäcker(1912‐ )により恒星中心部における原子核反応が具体的に明らかにされ(1938‐39),太陽をはじめとする恒星のエネルギー源を説明するとともに,恒星進化および宇宙の物質進化の研究が可能になった。…
…このことがのちに20世紀に入ってもう一つの空間概念の大きな変革を支えることになった。アインシュタインの手で生まれた相対性理論は,時間と空間との間のカテゴリカルな区別を取り除いたという意味で,やはり西欧的空間(時間)概念の歴史にとっては画期的なことだったといってよい。時間と空間は,独立の概念ではなくなり,相互に浸透し合った一つの連続体として理解されることになったからである。…
… このように,近代西欧哲学のなかでは,時間は,世界の存在の形式か,世界の存在を支える枠組みか,人間の認識の形式か,いずれにしても人間のいきいきとした〈生〉そのものとは無関係な広域的概念になりつつあったが,それを人間の生の様式へ引き戻そうとしたのが,19世紀末以降のベルグソンによる〈持続〉やフッサール,ハイデッガー,サルトルらの現象学的な〈時間性〉の提案だった。さらに20世紀初頭における相対性理論と量子力学の誕生は,時間概念に決定的な新しい展開を与えた。相対性理論では,絶対時間や絶対的同時性が成立しないことが明らかになった(そこから〈双子のパラドックス〉が生まれる)ばかりではなく,それまで空間と別個の座標軸を与えられていた時間が,空間と独立に扱われるべきでないという新しい事態を迎えたし,量子力学では,エネルギーとペアとなって非可換な2量を構成する時間(物理的観測量としての)が,ハイゼンベルクの不確定性原理を満足すべきものであることが明らかにされ,そこから,一種の〈多時間〉的な発想も生じた。…
…彼の研究関心は一種のルネサンス人と形容しうるほど多岐にわたっており,物理学,哲学,科学史,心理学,生理学,音楽論の各分野で第一級の業績を残している。物理学では超音速の先駆的研究によって速度単位マッハ数にその名をとどめ,また〈マッハの原理〉は一般相対性理論への道を開くものであった。心理学における〈マッハの帯〉や〈マッハ効果〉の発見,生理学における〈マッハ=ブロイアー説〉など彼の名を冠する業績は数多い。…
※「相対性理論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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