相槌(読み)アイヅチ

デジタル大辞泉 「相槌」の意味・読み・例文・類語

あい‐づち〔あひ‐〕【相×槌/相×鎚】

鍛冶かじで、二人職人が交互に槌を打ち合わすこと。あいのつち。
相手の話にうなずいて巧みに調子を合わせること。
「聞く人なげに遠慮なき高声、福も―例の調子に」〈一葉われから〉
[類語]返事生返事二つ返事代返

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「相槌」の意味・読み・例文・類語

あい‐づちあひ‥【相槌】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鍛冶(かじ)などで、師の打つ間に、弟子が槌を入れること。また、互いに槌を打ち合わすこと。
    1. [初出の実例]「鍛冶があひつちと云ふは、二人むかひてうつゆへ歟」(出典:塵袋(1264‐88頃)八)
    2. 相槌<b>①</b>〈職人尽歌合絵巻〉
      相槌〈職人尽歌合絵巻〉
  3. 建築で棟木などを組む際に使う大きな槌。
    1. [初出の実例]「玄以普請 妙見寺、為見廻罷向。アイ槌 十、〈略〉持参」(出典兼見卿記‐天正一一年(1583)一〇月二二日)
  4. 問いかけに答えること。相手の話に巧みに調子を合わせること。
    1. [初出の実例]「月すむ棟に棟のあい槌〈西友〉 蔦葛噺しの伽に懸たり〈西吟〉」(出典:俳諧・西鶴五百韻(1679)何秤)
    2. 「遠慮なき高声、福も相槌(アヒヅチ)例の調子に」(出典:われから(1896)〈樋口一葉〉一一)

あい‐の‐つちあひ‥【相槌】

  1. 〘 名詞 〙あいづち(相槌)

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