真っ向(読み)マッコウ

デジタル大辞泉 「真っ向」の意味・読み・例文・類語

まっ‐こう〔‐カウ〕【真っ向】

《「まっかく抹額)」の音変化で「真っ向」は当て字か》
正面。「真っ向から打ちかかる」
額のまん中。「刀を真っ向に振りかざす」
(「真っ甲」とも書く)かぶとの鉢の正面。
かぶとの―打ち割られ」〈平家一一
[類語]正面真ん前向かい真正面前方真向かい真向きまとも

めっ‐こう〔‐カウ〕【真っ向】

まっこう」の音変化。
「―打ち割る、頭を砕く」〈浄・国性爺

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精選版 日本国語大辞典 「真っ向」の意味・読み・例文・類語

まっ‐こう‥カウ【真向・真甲カフ】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「まっこう(抹額)」と同源で、「真向」「真甲」はあて字か )
  2. (ひたい)のまんなか。
    1. [初出の実例]「臼杵八郎おしよせ、五郎にわたりあひ、まっかうわられて、うせにけり」(出典:曾我物語(南北朝頃)九)
  3. (かぶと)の鉢の前面部。
    1. [初出の実例]「痛手なれば、まっかうを馬のかしらに当てうつぶし給へる処に」(出典:芸大本平家(13C前)九)
  4. 真正面。正面。ま向き。表。
    1. [初出の実例]「紅(あけ)にそまはりたる友切、まっこうにさしかざし」(出典曾我物語(南北朝頃)九)
    2. 「自由主義政治体制に真向から反対するソ連や」(出典:憲法講話(1967)〈宮沢俊義〉一一)

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