真金(読み)マガネ

デジタル大辞泉 「真金」の意味・読み・例文・類語

ま‐がね【真金】

《古くは「まかね」》鉄。くろがね。
「さみだれにとくる―をみがきつつてるひと見ゆるます鏡かな」〈能因集・下〉

しん‐きん【真金】

純粋黄金純金。〈日葡

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精選版 日本国語大辞典 「真金」の意味・読み・例文・類語

ま‐がね【真金・真鉄】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「まかね」 )
  2. ( 真金 ) 純粋の黄金。純金。しんきん。〔観智院本名義抄(1241)〕
  3. 鉄。くろがね。
    1. [初出の実例]「さみだれにとくるまかねをみがきつつてるひと見ゆるます鏡かな」(出典:能因集(1045頃)下)

真金の語誌

( 1 )「ま」は完美な、まったきの意の接頭語。「万葉集」や「古今集」の例は「まかねふく」という枕詞の形で見られる。同項の挙例「万葉‐三五六〇」は当時盛んであった造仏(大仏等)の際に、仏像への鍍金(葺く)の過程で金を水銀によって液状化して用いた(アマルガム法)ところから、水銀の産地である丹生にかける枕詞の用法として出てきたものであり、この「まかね」は黄金をいう。
( 2 )鉄とする解釈は、「まかねふく」の挙例「古今‐神あそびの歌」の理解から出たものと思われる。吉備国が著名な鉄の産地(久米郡久米町の大蔵池遺跡、他)であったところから、「まかね」が鉄と理解され、古今伝授の中で伝えられていった。


しん‐きん【真金】

  1. 〘 名詞 〙 純粋の黄金。真実の黄金。純金。
    1. [初出の実例]「是以如来、即動万徳之厳躯、開真金之妙口、広明万善同帰之理」(出典法華義疏(7C前)一)
    2. [その他の文献]〔杜陽雑編〕

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