(読み)チャク

デジタル大辞泉 「着」の意味・読み・例文・類語

ちゃく【着】[漢字項目]

[音]チャク(漢) ジャク(ヂャク)(呉) [訓]きる きせる つく つける
学習漢字]3年
〈チャク〉
衣服などを身につける。「着衣着脱着帯着用
ぴったりとくっつける。くっつく。つく。「着床着色着氷吸着膠着こうちゃく接着定着土着撞着どうちゃく粘着付着密着癒着恋着
ある場所に届く。行きつく。「着信着任着陸先着到着発着漂着未着
決まりがつく。落ちつく。「着実決着沈着落着
一点に注目する。「着意着眼着想着目
囲碁で、石を打つこと。「失着正着敗着
〈ジャク〉心がとらわれる。「愛着執着頓着とんじゃく
〈き(ぎ)〉「着物厚着上着冬着古着水着
[補説]もとは「著」の俗字。の語例は「チャク」とも読む。

ちゃく【着/著】

[名]目ざす場所に行き着くこと。到着。「東京―一〇時の列車」⇔はつ
[接尾]助数詞
到着の順番を数えるのに用いる。「三―で銅メダルを獲得した」
衣類などを数えるのに用いる。「スーツを一―新調したい」
囲碁で、石を打つ回数を示すときに用いる。「第一―を天元に打つ」「ちょ(著)」

ぎ【着】

[語素]《動詞「き(着)る」の連用形名詞化した「き(着)」から》名詞の下に付いて、そのような物事のために着る物の意を表す。「肌」「上」「晴れ」「訪問

き【着】

着ること。着るもの。〈名義抄

じゃく【着】[漢字項目]

ちゃく

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「着」の意味・読み・例文・類語

ちゃく【着・著】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 行きつくこと。時刻や場所を示す語に付けて用いることもある。到着。「五時着」「東京着」
      1. [初出の実例]「着(チャク)致さば早速、書翰を以っておしらせ申そふ」(出典浄瑠璃仮名手本忠臣蔵(1748)一〇)
      2. 「さう着(チャク)、早々計画が立つものか」(出典:野分(1907)〈夏目漱石〉一)
    2. 衣服などを身につけること。
      1. [初出の実例]「心ざしを着いたすと、いただいて着る有さま」(出典:浄瑠璃・夕霧阿波鳴渡(1712頃)上)
    3. 着物(きもの)の意。
      1. [初出の実例]「着物(チャク)が無服(まる)で、初会(しょかい)にもでられないしまつの処へ」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二)
    4. 巾着切りをいう、江戸の遊郭などにおける隠語
      1. [初出の実例]「ちゃくは巾着切なり」(出典:随筆・麓の色(1768)三)
    5. じゃく(着)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙
    1. 衣服などを数えるのに用いる。「洋服二着」「袴一着」など。
    2. 到着の順番を数えるときに用いる。
      1. [初出の実例]「驚異的世界レコード出しながら、惜しい哉二着となった」(出典:スポーツを語る(1932)〈鳩山一郎〉一〇)
    3. 囲碁で、石をうつ回数を示すときに用いる。「第一着から長考する」

き【着】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「きる(着)」の連用形の名詞化 ) 着ること。また、着るもの。
    1. [初出の実例]「〈本〉宮人の おほよそごろも 膝とほし〈末〉膝とほし 支(キ)の宜しもよ おほよそごろも」(出典:神楽歌(9C後)宮人)

じゃくヂャク【着・著】

  1. 〘 名詞 〙 心が物事に深くとらわれること。執着。執着心
    1. [初出の実例]「しるべし、包含は著にあらず、包含は不宿なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)海印三昧)

ぎ【着】

  1. 〘 造語要素 〙 ( 動詞「きる(着)」の連用形の名詞化「き(着)」から ) きもの。「外出着」「肌着」「晴れ着」「上着」など。

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