中国地方北西部にある高原。中国山地の北側にあり,浸食によってできたもので,標高300~500m。島根県西部,とくに江(ごう)の川中流域のものが最も典型的であるため,このように呼ばれる。浸食面の形成は,中国山地南側の吉備高原に比較して不完全である。江の川および神戸(かんど)川,高津川などで深く開析され,これらの河川の本流,支流に遷急点をもち,上流では緩傾斜の浸食面を流れる。たとえば江の川支流の矢上川では,断魚渓が遷急点で,上流は矢上盆地となる。集落は河川沿岸,とくに河岸段丘上か浸食面上の山間盆地にあり,段丘は畑,盆地は水田に主として利用される。かつては木炭,和紙の生産が盛んで,近世にはたたら製鉄のための木炭も供給したが,近年生産の主力は木材と牛の飼育に移っている。また過疎化が進む一方,矢上盆地など山間盆地の中心集落には,弱電,縫製などの中小工場が誘致された。かつて行商人の活躍していた在町にも,スーパーマーケットなどが立地し,バス交通網も拡大した。
執筆者:池田 善昭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
中国山地の北西部、島根県西部に広がる高原。静間川、江の川(ごうのかわ)、浜田川、周布(すふ)川などの日本海に注ぐ河川により一部は開析され渓峡谷をつくるが、高原上は数多くの小盆地が分布する。集落は河岸段丘と高原上に立地し、その間は羊腸路で連絡する。盆地にはたたら製鉄跡が多い。高原は赤松と広葉樹で覆われ、パルプ材供給地。かつては木炭の主産地であった。人口流出が多く過疎地域である。
[野本晃史]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新