精選版 日本国語大辞典 「硫化亜鉛」の意味・読み・例文・類語
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亜鉛の硫化物。天然には閃亜鉛鉱(せんあえんこう)として、またまれにウルツ鉱として産する。硫酸亜鉛水溶液に硫化アンモニウムを加えるか、酢酸酸性亜鉛塩水溶液に硫化水素を通ずると沈殿する。無色の粉末。結晶は2変態があり、低温型(β(ベータ)型)が閃亜鉛鉱型構造で、結合間隔Zn-S 2.35オングストローム、高温型(α(アルファ)型)がウルツ鉱型構造で、結合間隔Zn-S 2.36オングストローム。これらの間の転移温度は1020℃。水にほとんど不溶。新しくつくった沈殿は希無機酸によく溶けるが、古いものは溶けにくくなる。硫化水素を含む水で長時間処理するとコロイドとなって分散する。水を含んだ状態では空気中で徐々に酸化されて硫酸亜鉛を生ずるが、灼熱(しゃくねつ)乾燥すると空気中で安定。
人工でつくったものは粒子が細かく白色顔料として用いられる。とくに硫酸バリウムと混ぜリトポンとしてペンキ、リノリウム、ゴムなどに広く用いられる。また硫化亜鉛に微量のラジウムを加えて広く蛍光体として用いられる。
[中原勝儼]
ZnS(97.47).天然には,せん亜鉛鉱として産出する.ウルツ鉱としてもまれに産出する.室温では,ウルツ鉱型構造よりもせん亜鉛鉱型構造のほうが安定である.転移温度1020 ℃.亜鉛と硫黄の直接結合または亜鉛塩水溶液に硫化アルカリを加えると得られる.酢酸イオンの存在下で酸性で硫化水素を通じても白色沈殿(無晶形)として得られる.新しい沈殿は希薄な強酸に溶けるが,放置すれば重合して不溶となる.せん亜鉛鉱型は密度4.08 g cm-3.ウルツ鉱型は密度4.09 g cm-3.水にほとんど不溶.空気中で赤熱するとZnOとZnSO4との混合物となり,空気の流通を十分にするとZnOだけが生じる.白色顔料リトポン(ZnSとBaSO4の混合物)の原料や蛍光体として蓄光顔料,夜光塗料,光触媒,殺真菌剤,X線蛍光画面,半導体レーザー結晶材料などに用いられる.[CAS 1314-98-3]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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