精選版 日本国語大辞典 「磁化」の意味・読み・例文・類語
じ‐か ‥クヮ【磁化】
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物質を磁場の中に置いてそれを磁石にすること、つまり磁気モーメントを与えることをいうが、またそのようにして得られたその物質の単位体積当りの磁気モーメントも磁化(ベクトル)という。
磁化されていない物質を、強さがHの磁場の中に入れたとき、その物質の磁化はMとなり、普通の物質ではMはきわめて小さく精密な計器でないと測れないが、MはHに比例する。鉄などのように強く磁化されるもの(強磁性体)ではMはHに比例せず、Hが大きくなるとMは飽和し、またヒステリシスの現象がみられる。MとHとの比を磁化率とよび、また帯磁率とよぶこともある。MとHとが比例するときにはもちろんこの比χは一定であるが、強磁性体ではχは磁場の関数である。ある強磁性体の最大のχを最大磁化率という。χは物質によって異なり、また温度によっても変化する。室温で強磁性体である鉄などではχは数十ないし数十万の値をとるが、多くの物質では100万分の1程度の小さなものであり、正のもののほか負のものもある。
強磁性体の単結晶ではとくに磁化しやすい方向がある。たとえば鉄単結晶では、ミラー指数の(100)方向のχが大きい。これを磁化容易方向という。微細に調べると強磁性体は、実は小さな領域ごとに、外部の磁場によらずに自発的に磁化していることが明らかにされ、その磁化を自発磁化という。普通に鉄などを磁化するというのは、ばらばらの方向を向いている小領域の磁化方向を一方向にそろえることであって、これをとくに技術磁化とよんで自発磁化と区別することもある。
磁化の測定は、古くは不均一な磁場中で物体が受ける力を測定する磁気天秤(てんびん)という機器で行われていた。1980年代後半ごろからは、SQUID(スキッド)(超伝導量子干渉素子)を用いた磁束計が普及し、微小試料の磁化をきわめて高感度で測定できるようになった。SQUIDは、ジョセフソン効果を応用した素子であり、素子を貫く磁束の数を数えることができる。
[宮原将平・佐藤博彦]
『島田寛・山田興治編『磁性材料――物性・工学的特性と測定法』(1999・講談社)』▽『浜口智尋著『電子物性入門』(1999・丸善)』
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磁性体が磁気を帯びることを磁化するというが,定量的には,磁化は磁性体の単位体積当たりの磁気モーメントの総和である.磁化をM,磁場の強さをH,磁束密度をBとするとき,国際単位系(SI単位)のE-H対応では,
B = μ0H + M
の関係になる.μ0 は真空の透磁率.磁化の単位は Wb m-2 あるいはテスラ(T)である.一方,E-B対応では,
B = μ0(H + M)
のように定義される.また,ガウス単位系では,
B = H + 4πM
という関係になる.
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…誘電体を電場の中においたとき,または磁性体を磁場の中においたとき,前者では正,負の極に,後者ではN,Sの極に分かれる現象をいい,誘電体の場合は電気分極,磁性体の場合は磁化と呼ばれる。強誘電体では自発分極をもつ分域に,強磁性体では自発磁化をもつ磁区に分かれており,結晶全体としては,電気分極が部分的に打ち消されたり,磁化がほとんど完全に打ち消されたりしている。…
※「磁化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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