礼儀(読み)レイギ

デジタル大辞泉 「礼儀」の意味・読み・例文・類語

れい‐ぎ【礼儀】

人間関係や社会生活の秩序を維持するために人が守るべき行動様式。特に、敬意を表す作法。「礼儀にかなう」「礼儀正しい人」「親しき中にも礼儀あり」「礼儀作法」
謝礼報謝
「それは―いかほど入り候はんや」〈咄・醒睡笑・三〉
[用法]礼儀・作法――「物を食べながら人に会うのは礼儀(作法)に反する」のように、人と接する時の態度の意では相通じて用いられる。◇「礼儀」は対人関係での気配りや敬意、慎みの気持ちにもとづく行動の規範である。「作法」は対人関係に限らず、礼儀にかなった一定の行動のしかたを言う。◇「年賀状をもらったら返事を出すのが礼儀だ」は「作法」では言えないし、「お茶の作法を覚える」を「礼儀」とは言えない。◇「作法を知らない」と言えば単にその知識がないだけである場合も多いが、「礼儀を知らない」では、敬意や慎みの気持ちがなく、常識に欠けることを非難する意が含まれてくる。◇類似の語に「行儀」がある。「行儀の悪い子」「行儀よくすわっている」のように、礼儀にかなった立ち居のしかたの意で使う。
[類語]エチケットマナー作法行儀礼節儀礼礼式礼法風儀正格公式正則正統正調本式本格的正規正式格調格式品格品位風格おおやけ公的正しい本物よそ行き格式張る折り目正しいフォーマル虚礼本格本筋まっとう正道本道本流主流中正至当合理的合法的押しも押されもせぬれっきとちゃんとまとも道理道理至極腰を入れる本腰本腰を入れるレギュラーオーソドックスプロパー

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精選版 日本国語大辞典 「礼儀」の意味・読み・例文・類語

れい‐ぎ【礼儀・礼義】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 敬礼謹慎を表わす作法。「礼」はその大なるもの、「儀」は小なるものをいう。社会のきまりにあった、交際上の動作や作法。挨拶のしかた。また、それを行なうこと。
    1. [初出の実例]「新羅既無言信、又闕礼義」(出典:続日本紀‐天平宝字四年(760)九月癸卯)
    2. 「皆二十より内のわか者どもなり、礼儀骨法弁へたる者一人もなし」(出典:平家物語(13C前)一)
    3. [その他の文献]〔詩経‐小雅・楚茨〕
  3. 謝礼。報酬
    1. [初出の実例]「同不御用竹木、為奉行注置、以礼儀之族、可御成敗事」(出典:六角氏式目(1567)四〇条)

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普及版 字通 「礼儀」の読み・字形・画数・意味

【礼儀】れいぎ

礼式作法。〔詩、小雅、楚茨〕禮儀に備はり 鍾鼓に戒む 孝孫徂(ゆ)きて位(のぞ)み 工す (とも)にへり 皇尸載(すなは)ち(た)つ

字通「礼」の項目を見る

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改訂新版 世界大百科事典 「礼儀」の意味・わかりやすい解説

礼儀 (れいぎ)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の礼儀の言及

【作法】より

…ところが,中世後期に生まれたヨーロッパの宮廷社会のように,緊密な社会的相互依存体系が成立すると,ただ単に他人に害をあたえてはならないというだけでなく,他人に不快感をあたえるおそれのあるふるまいを抑制し,周囲の人々の動作を模倣するなどして,できるだけ他人に気に入られるようにふるまう必要が生じる。そうして,挙措動作の全般にわたってある種の洗練化が徐々にすすみ,それはけんかやあだ討ちにも作法,礼儀があるといわれるように,立居振舞のあらゆる領域に及ぶ。作法が倫理道徳の問題であるよりも,むしろしばしば美の問題であり,無作法な動作は悪であるよりも醜と感じられることが多いのも,このような成立事情によっている。…

※「礼儀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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