神代(読み)ジンダイ

デジタル大辞泉 「神代」の意味・読み・例文・類語

じん‐だい【神代】

神話時代。日本では天地開闢かいびゃくから神武天皇即位までの神が支配していたという時代。かみよ。

かみ‐よ【神代/神世】

神が治めていたという時代。日本神話では、神武天皇の前までの時代。神話時代。じんだい。「―の昔から」

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精選版 日本国語大辞典 「神代」の意味・読み・例文・類語

かみ‐よ【神代・神世】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 神が統治し、活動していたという、人の世に先立つ時代。記紀の神話では、天地開闢(かいびゃく)から神武天皇以前、鸕草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)までの神々の時代をいう。じんだい。
    1. [初出の実例]「北に沼尾の池あり。古老の曰へらく、神世(かみよ)に天(あめ)より流れ来し水沼(みぬま)なり」(出典常陸風土記(717‐724頃)香島)
    2. 「香具山は 畝火ををしと 耳梨と 相あらそひき 神代(かみよ)より かくにあるらし」(出典:万葉集(8C後)一・一三)
  3. ( ある神の支配に属した時代、または、神に奉仕したかつての時代の気持をこめて ) 昔。往時
    1. [初出の実例]「すみよしのまつこそものは悲しけれ神世のことをかけて思へば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)澪標)

じん‐だい【神代】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 神武天皇即位以前の、神々がこの国を支配したという時代。かみよ。
    1. [初出の実例]「況や本朝神代より以来いまだ此事有らず」(出典:将門記(940頃か))
  3. 古めかしいさま。
    1. [初出の実例]「訛声にて神代(ジンダイ)小歌めきたる一曲(いっきょく)」(出典:浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神代」の意味・わかりやすい解説

神代
こうじろ

長崎県雲仙市(うんぜんし)国見(くにみ)町地区の西部を占める地域。戦国時代、土豪の一人、神代氏拠点をなした所で、鶴亀(つるかめ)城跡がある。近世は鍋島氏(なべしまうじ)に属し、佐賀藩の支藩的存在で、国指定重要文化財の旧鍋島家住宅のある神代小路(くうじ)は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。また、縄文晩期の土器、甕棺(かめかん)を出土した筏遺跡(いかだいせき)もある。

[石井泰義]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神代」の意味・わかりやすい解説

神代
じんだい

東京都西部,調布市北西部の旧村名。奈良時代の古刹深大寺があり,湧水の豊富なこともあって,古代から開けた地域である。明治期には,新田畑地が広がり,深大寺村佐須村,金子村,柴崎村下仙川村,入間村などが成立した。これらが 1952年神代町となり,55年調布市となった。住宅地および園芸農業地域で,特に庭木,盆栽を産する。都立神代植物公園がある。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「神代」の解説

じんだい【神代】

岐阜の日本酒。「神代辛口」は飛騨の定番酒として親しまれる酒。「上澄」は精米歩合50%で仕込む吟醸酒。原料米はひだほまれ。仕込み水は飛騨山系の伏流水。蔵元の「大坪酒造店」は天保13年(1842)創業。所在地は飛騨市神岡町朝浦。

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デジタル大辞泉プラス 「神代」の解説

神代

岐阜県飛騨市、大坪酒造店が製造する日本酒。辛口。

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