大阪府北西部を流れる河川で、淀川水系を構成する河系である。神崎川本川は大阪市東淀川区
神崎川は古代から中世にかけては
淀川の分流。大阪市域の北東端、
天平勝宝八歳(七五六)一二月一七日の摂津国河辺郡猪名所地図写(尼崎市教育委員会蔵)には「東一入江今淀河是也」とあり、「今云々」はのちの書込みと思われるが、神崎付近は深く湾入した大阪湾の入江であり、現神崎川の下流域はまだ形成されていなかったことがうかがえる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
淀川下流の分流の一つで,摂津市南端付近で淀川から分かれ,大阪市の北端を南西方向に流れて大阪湾に入る。流路の延長はわずか21kmであるが,安威川と猪名川を支流とするため,流域面積は627km2に及ぶ。下流には左門殿(さもんど)川,中島川の分流があって大阪府と兵庫県の境界をなす。古代から中世にかけては三国川と呼ばれた。785年(延暦4)の開削工事によって淀川と連絡し,以後淀川水運の幹線となり,江口,吹田,神崎,河尻の河港が発達した。沿岸一帯は低湿地で水害が頻発したため,江戸時代には悪水排除のためいくつかの水路が設けられ,下流では新田開発が進んだ。1878年に淀川からの新たな分水路,1904年にその締切堤防と水門が完成したが,その後河岸に染色,さらし,製紙などの工場の進出が目覚ましく,都市化が進展した。
執筆者:服部 昌之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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