湯島台に鎮座する神社で、江戸の総鎮守として江戸っ子の崇敬を受けた。祭神は大己貴命・少彦名命・平将門。旧府社。神田明神(社)と称する。
明治六年(一八七三)祠官が東京府に提出した明細書(同七年神社明細簿)によると、祭神は大穴牟遅大神(大己貴命)と平将門で、天平年間(七二九―七四九)豊島郡
天正一九年(一五九一)一一月には葛飾郡
御調川北岸の
当社はもと本村に鎮座して
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
東京都千代田区外神田(そとかんだ)に鎮座。大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)を祀(まつ)る。社伝によると、730年(天平2)武蔵(むさし)国豊島(としま)郡芝崎村(東京都千代田区大手町)に創祀(そうし)したという。1603年(慶長8)駿河台(するがだい)に移り、さらに1616年(元和2)現在地に移った。庶衆から「神田明神(みょうじん)」と尊称され、将軍徳川秀忠(ひでただ)は当社をして江戸城下の総鎮守(ちんじゅ)となした。1657年(明暦3)に社殿炎上。のち徳川家綱(いえつな)により再興された。1703年(元禄16)ふたたび社殿炎上。翌年徳川綱吉(つなよし)により再興。1872年(明治5)府社に列せられ、正式の社号「神田神社」に改めた。1923年(大正12)関東大震災により炎上し、1934年(昭和9)に再興。1945年3月戦火にかかり社殿を焼失したが、その後再興して現在に至る。平将門(まさかど)を祀る境内の将門社は有名。創建当初、近傍に将門の首塚があったのにより、相殿(あいどの)にその霊を祀り、この地の守護神としたとも伝える。5月中旬の例祭は世に神田祭と称され、隔年に行われる大祭は日本三大祭の一つとされる。
[三橋 健]
東京都千代田区外神田に鎮座。大己貴(おおなむち)命を主神とし,相殿(あいどの)神として少彦名(すくなびこな)命をまつる。社伝によれば,730年(天平2)武蔵国豊島郡芝崎村に大己貴命をまつったのが当社のはじまりという。徳川家康が江戸に入ると,翌1591年(天正19)江戸内に30石の神領を寄進した。1603年(慶長8)江戸城改築に伴い神田台に,さらに16年(元和2)現在の外神田に移った。徳川秀忠はこの神田明神を武州の総社とし,城下の総鎮守として篤い崇敬を寄せた。1872年神田明神を神田神社と改称,74年には常陸の大洗磯前(いそざき)神社の祭神少彦名命の分霊を勧請,相殿神としてまつった。大祭は5月15日(もとは9月15日)。神田祭と称されるこの大祭は,日枝神社の山王祭とともに,江戸の代表的な祭りといえる。旧府社。
執筆者:落合 偉洲
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神田明神とも。東京都千代田区外神田に鎮座。旧府社。祭神は大己貴(おおなむち)命・少彦名(すくなひこな)命。社伝では730年(天平2)武蔵国豊島郡芝崎村に創祀という。1603年(慶長8)頃に神田橋御門内から駿河台に移され,16年(元和2)現在地に遷座。武州総社として日枝神社とならび徳川家の厚い庇護をうけた。例祭は5月中旬の神田祭。日枝神社の山王祭とともに江戸二大祭とされた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… 《将門記》は,その文末に,造悪の報いで地獄におちた将門が冥界から消息を寄せて,生存する妻子や兄弟に地獄の責め苦を訴えたという,興味深い巷説を載せているが,《太平記》や古活字本《平治物語》には,都で梟首された将門の首が瞑目せず,歯がみして復仇を誓ったという話が伝えられている。非業の死をとげた人々の怨恨が,怨霊となって世を悩ますという考えは,いわゆる御霊神としてこれを神にまつり,鎮魂慰撫する風習を生んだが,東京神田の神田神社,西多摩郡奥多摩町鳩の巣の将門神社,茨城県岩井市の国王神社,千葉県佐倉市の将門明神,福島県相馬市の相馬神社など,関東から東北にかけての各地には,将門をまつる御霊社が広く分布している。 先にあげた《俵藤太物語》もその一例だが,近世に入ると,将門にゆかりの深い東国が政治・文化の中心となったことから,将門への関心はいっそう深まり,将門伝説に題材をとった多くの文芸作品がつくられた。…
※「神田神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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