① イネ科の一年草。アジア原産で、古くから各地で栽培され、日本へは縄文時代に渡来し、山間部ややせ地では主食として、平野部では主に救荒作物として栽培されたが、現在ではあまりみられない。高さ約一メートル。葉はイネに似て細長い。夏から秋にかけ、枝頂に長さ一〇~二〇センチメートルの円錐形の花穂をつける。小穂は二花よりなり、一花が紫黒色に熟す。種子を食用、または稈・葉とともに飼料に用いる。漢名、稗。《 季語・秋 》
[初出の実例]「薭五斛 直稲伍拾束 束別一斗」(出典:正倉院文書‐天平六年(734)尾張国正税帳)
② ( その形状が①の実に似ていることから ) 面皰(にきび)。ふきでもの。〔日葡辞書(1603‐04)〕