空ろ(読み)ウツロ

デジタル大辞泉 「空ろ」の意味・読み・例文・類語

うつろ【空ろ/虚ろ】

[名・形動]
(「洞ろ」とも書く)内部がからであること。また、そのさま。空洞。うろ。からっぽ。「中は―になっている巨木
心が虚脱状態であること。また、そのさま。表情などに生気のないさま。「―な目つき」
むなしいこと。また、そのさま。「慰めの言葉も―に響く」
[類語]空っぽがらんどう空疎空漠空白空虚ブランク虚無空間スペース空き中天空洞がら空きうろ虚空もぬけの殻

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「空ろ」の意味・読み・例文・類語

うつろ【空・虚・洞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 中身がなく、からっぽのこと。また、その箇所。うろ。うつお。〔名語記(1275)〕
  3. ( 形動 ) 外形だけで内容や実質の伴わないもの。
    1. [初出の実例]「天子のみくらもなにもなう、うつろになったぞ」(出典:玉塵抄(1563)二五)
  4. うつろぶね(空舟)」の略。
    1. [初出の実例]「ありのままにかたるを其まま成敗にもすべきをそれさへ出家といへる徳にて、うつろにつくりて絞りながら乗せ」(出典:浮世草子・懐硯(1687)四)
  5. ( 形動 ) 心のはたらきが鈍り、ぼんやりしているさま。また、声などに力がなく、頼りないさま。
    1. [初出の実例]「痩せた両肩を聳やかして、又ごほんと云ふうつろな咳を一つした」(出典:野分(1907)〈夏目漱石〉四)

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