立科(読み)たてしな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「立科」の意味・わかりやすい解説

立科(町)
たてしな

長野県中東部、北佐久郡の町。1955年(昭和30)芦田(あした)、横鳥、三都和(みつわ)の3村が合併して立科村となり、1958年町制施行。国道142号(中山道(なかせんどう))、254号が通じる。町域北部は佐久盆地の西縁にあたり、南部蓼科火山(たてしなかざん)の北麓(ほくろく)の広大な高原が占める。中心地区の芦田は近世中山道の宿駅で、本陣の建物の一部が現存する。そのほかは純農村で、近世に八重山堰(やえやまぜき)、宇山堰、塩沢堰など高原からの用水路によって水田化された。水田を中心に、リンゴ、薬用ニンジンなどを生産する。芦田地区と西方笠取峠(かさとりとうげ)の間には中山道の松並木が残る。蓼科山麓には白樺(しらかば)高原、女神(めがみ)湖、蓼科牧場などがあり、女神湖を中心にホテル、別荘地、スキー場などに開発されている。面積66.87平方キロメートル、人口6612(2020)。

[小林寛義]


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改訂新版 世界大百科事典 「立科」の意味・わかりやすい解説

立科[町] (たてしな)

長野県中部,北佐久郡の町。人口7707(2010)。町域は南北に細長くのび,南縁には蓼科(たてしな)山,八子ヶ峰(やしがみね)がそびえる。中心集落の芦田は近世には中山道の宿駅として栄え,小諸藩の生糸改所が設けられていた。江戸前期に塩沢堰などの用水が開削されて新田開発が進み,近年まで稲作中心の農業が行われてきたが,現在は畜産,リンゴ・タバコ栽培なども盛んになっている。古町に蓼科神社里宮,茂田井に芦田城跡,上房に天台宗古刹(こさつ)津金寺がある。蓼科山北西麓に広がる白樺高原には蓼科牧場,女神湖,御泉水自然園があり,ビーナスライン(1986年無料開放)を経由して訪れる観光客が多い。
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百科事典マイペディア 「立科」の意味・わかりやすい解説

立科[町]【たてしな】

長野県中部,北佐久郡の町。蓼科(たてしな)山北斜面を占め,南北に細長い。中心の芦田は中山道の旧宿駅。米作,リンゴ栽培が行われ,薬用ニンジンも産する。南部には白樺湖があり,観光開発も進む。小諸市からバス。66.87km2。7707人(2010)。

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