競争(読み)きょうそう(英語表記)competition

精選版 日本国語大辞典 「競争」の意味・読み・例文・類語

きょう‐そう キャウサウ【競争】

〘名〙 あることについて互いに、優劣勝ち負けなどをきそうこと。
※興正菩薩行実年譜附録上‐弘安二年(1279)西大寺光明真言衆議事書「男女競諍、不威儀
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉二「耕地界限あり、産出に極度あり、畢竟英米に競争(キャウソウ)しがたし」 〔元稹‐唐故贈左散騎常侍裴公墓志銘〕

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デジタル大辞泉 「競争」の意味・読み・例文・類語

きょう‐そう〔キヤウサウ〕【競争】

[名](スル)
互いに同じ目的に向かって勝敗・優劣をきそい合うこと。「生産高を競争する」「競争力がある」「生存競争
生物の、ある生息空間や食物をめぐる相互作用。異種どうしの種間競争と同一種どうしの種内競争がある。
[類語](1対決敵対競合角逐かくちく勝負り合い競技プレー(―する)きそ争う張り合う対抗する比べるせめぎ合う渡り合う遣り合う先を争うしのぎを削る火花を散らす向かう突っかかる挑む立ち向かうかかるぶつかる対する相手取る向こうに回す向こうを張る

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普及版 字通 「競争」の読み・字形・画数・意味

【競争】きようそう(きやうさう)

きそいあらそう。〔荘子斉物論〕左り右り、倫り義り、り辯り、競り爭り。此れを之れと謂ふ。

字通「競」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「競争」の意味・わかりやすい解説

競争
きょうそう
competition

経済学では,経済主体が互いに対立しながら私的利益を追求することを競争と呼ぶが,競争状態はおもに価格支配力の程度や競争相手との競合条件によって分類されている。すべての主体が価格を与件として最適化行動を行う場合を完全競争という。これに対し,独占的 (不完全) 競争が生産者間にみられる場合がある。独占的競争とは,個別の生産者が製品差別化などを通じて,独占力をもって価格支配力をもつ一方,同種の代替的な製品を供給する企業が新規参入するため競争がなされるという状況である。また,互いに競合し合う企業が,他の競争相手の反応を考慮せずには需要曲線を想定できないような場合を寡占という。 (→不完全競争 )

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世界大百科事典 第2版 「競争」の意味・わかりやすい解説

きょうそう【競争 competition】


【社会的競争】
 競争は,それに参加する個人や集団の立場からすれば,ある有限の価値の獲得をめざして競いあい,他者に先がけてそれを達成することによって他者よりも優位に立とうとする行動である。またそれは社会の立場からすれば,一定の目標のもとに人々を活動へと動機づけてその活力を吸収し,結果的に選良(エリート)とそうでない者とをえりわけていく過程である。この過程のなかでは,人々が共通の規範や規則に従うことが期待されるが,それを無視ないし否定して他者を蹴落とそうとしてくると,この過程はもはや競争の域を脱して闘争へと移行する。

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世界大百科事典内の競争の言及

【闘争】より

…こういう意味での闘争は,広く対立oppositionとか抗争struggleと呼ばれる相互否定的な作用形態のうち,最も否定的性質の激しいものとして代表的な位置を与えられてきた。 これに対して,たとえば受験競争や会社の昇進競争などのように,一般に〈競争〉と呼ばれる形態では,複数の行為者の間で相互に他の行為主体を排除したり,その行為を妨害し停止させることが直接の目標ではなくて,あくまでも結果的に生じるかもしれない事態にすぎない。つまり競争の場合には,上記の例でいえば入学するとか昇進するというような,なんらかの客観的な目標や望ましい事態を他者と並行して追求し,それを達成することが直接の目的なのである。…

【日本】より

…この国では,だれもその答えを冗談とは受け取らないのである。
[競争原理]
 日本社会に長く存在し,多かれ少なかれ今日の日本にもかかわる文化の基本的な特徴は,およそ以上のごとくである。しかし今日の日本社会がもつ活動的性格は――それが1960年代以降の産業の分野で著しいことはいうまでもない――,伝統的条件のみからは説明されないだろう。…

【紛争】より

…以上のどの対争にも,時間的には一時的な衝突から何世代にもわたる宿怨闘争feudまで長短各様がある。対争と異なり競争は,2名あるいはそれ以上の社会主体が,当事者の外にある価値を最初にあるいはより多く獲得しようとして争うものである。競争の場合には,競技,コンテストなどの例に見られるように,紛争の仕方を統制する規則が貫徹していることが多く,当事者は必ずしも対決を意識しているわけではない。…

※「競争」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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