ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「笹川良一」の意味・わかりやすい解説
笹川良一
ささがわりょういち
[没]1995.7.18. 東京
実業家。大阪の造り酒屋に生れる。高等小学校を卒業して上京,各務原 (かかみがはら) 飛行第2連隊に入隊し,上等兵で退役する。故郷の村議を経て 1927年雑誌『国防』を創刊,31年国粋大衆党の総裁となる。 39年には国産機でローマに飛び,ムッソリーニ首相と会見して世間を驚かせた。 42年の翼賛選挙で当選。第2次世界大戦後A級戦犯として3年間収監された。公職追放解除後は競艇事業に乗出し,62年には「日本船舶振興会」 (現日本財団) を設立して会長に就任,年間 600億円という巨額の補助金を背景に政財界に隠然たる発言力を保持し続けた。船舶振興会のテレビコマーシャルにみずから出演して唱えた「一日一善」は 76年の流行語となった。
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