粗らか(読み)アララカ

デジタル大辞泉 「粗らか」の意味・読み・例文・類語

あら‐らか【粗らか】

[形動][文][ナリ]
大ざっぱなさま。こまやかでないさま。
「青総の髪―に、紅玉はだえ色消え」〈樗牛滝口入道
粗雑・粗末なさま。
「ただ―なる東絹あづまぎぬどもを」〈東屋
[類語]粗粗あらあらざっとおよそおおよそおおむねあらかたあらまし大ざっぱおおまか粗い粗っぽい粗削り粗放粗略粗雑粗笨そほん雑駁ざっぱく大つかみ丼勘定ラフ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「粗らか」の意味・読み・例文・類語

あらら‐か【粗か】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「あらら」に接尾語「か」の付いたものとも、「あら」に接尾語「らか」の付いたものともいう ) 粗雑なさま。大ざっぱ。
  2. 品物などが粗雑でよくないさま。粗末。
    1. [初出の実例]「ただあららかなる東絹どもを、押しまろがして投げ出でつ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)東屋)
  3. 手ざわりや見た目などが、こまやかでないさま。
    1. [初出の実例]「牛飼は大きにて、髪あららかなるが」(出典:枕草子(10C終)五五)
  4. 簡略なさま。粗略。とおりいっぺん。
    1. [初出の実例]「文してつげたれば、かへりごといとあららかにてあり」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)

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