(読み)ヤク

デジタル大辞泉 「約」の意味・読み・例文・類語

やく【約】

[名]
約束。取り決め。「を交わす」「を守る」
短く簡単にすること。また、そのもの。「長大な文章
約音」に同じ。
[副]数量を大まかに数えるさま。おおよそ。だいたい。「一週間」「一〇万円」
[類語](1協定約束条約約定契約協約結約盟約誓約確約保証公約口約取り決め申し合わせ契り誓い固め指切り/(約定かれこれざっと凡そほぼ程度くらいばかりほどかた内外見当プラスマイナス

やく【約】[漢字項目]

[音]ヤク(呉)(漢) [訓]つづめる つづまやか
学習漢字]4年
ひもで結ぶ。締めくくる。「制約括約筋
ひもで結び目を作り、取り決めの目印とする。広く、約束のこと。「約束約諾違約解約規約契約公約口約婚約条約誓約先約締約売約密約予約
短く縮める。かいつまむ。つづめる。「約音約言簡約集約要約
むだを捨て、全体を引き締める。つづまやか。「倹約節約
あらまし。大体。「大約
共通の数で割る。「約分公約数
[名のり]なり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「約」の意味・読み・例文・類語

やく【約】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 約束すること。ちかうこと。契り。契約。
      1. [初出の実例]「約を受て違へむ事の極て怖ろしければ也」(出典:今昔物語集(1120頃か)五)
      2. [その他の文献]〔史記‐項羽本紀〕
    2. ひかえめであること。簡約。節約。
      1. [初出の実例]「知其要者、言(げん)必約」(出典:童子問(1707)中)
      2. [その他の文献]〔史記‐屈原伝〕
    3. 貧窮。困窮。
    4. 短く簡単にすること。省略。また、省略されたもの。
      1. [初出の実例]「旅宿の雑談をもって峯次郎旅行の前文の約に備るは」(出典:人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)三)
    5. わりざん。除法。除。〔算法新書(1830)〕
    6. やくおん(約音)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 おおざっぱに目で数えたさまを表わす語。おおよそ。だいたい。あらまし。大約。
    1. [初出の実例]「板の高さは地面を去る約一メートルだから」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉七)

つづまり【約】

  1. [ 1 ] 集約し、または、まとめられた結果。終結。
    1. [初出の実例]「帳尻の約(ツヅマ)り合ぬにて知りぬべし」(出典:寄笑新聞(1875)〈梅亭金鵞〉八号)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 つまるところ。結局。
    1. [初出の実例]「物の理窟いふものは、教育があらうと無からうとつづまり同じ事やろと思ふとりまんね」(出典:大阪の宿(1925‐26)〈水上滝太郎〉四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android