精選版 日本国語大辞典 「紙銭」の意味・読み・例文・類語
かみ‐ぜに【紙銭】
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銭形に切り、または銭形を押した紙。中国で祭りのときなどに供えたり焼いたりする。元旦(がんたん)の儀礼として、叩頭(こうとう)の礼のあと焚銭粮(フェンチエンリャン)といって、黄色の紙に銭形を押した黄銭、馬蹄(ばてい)銀の形につくった元宝、千張紙(冥紙(めいし)と同類)などを焚(た)く。祀天地(してんち)(天地を拝む)のとき、黄銭(黄紙)などとともに紙銭を供えて焼く所もある。元旦の朝早く門を開くときも、かならず焼香をして紙銭を焚き爆竹を鳴らす。元旦に家廟(かびょう)で祖先に礼拝するとき、紙銭を包んだ袋を焚く。正月の祖霊迎えには赤い紙の袋、葬式や法事のときは白または黄紙でつくり、その中に位牌(いはい)形を印刷した黄紙や、冥銭(めいせん)としての金銀など各色の紙銭と黄紙とを入れて焼く。華南の各地では、黄紙や白紙を銭形に切って、元旦にカシワの木の枝に吊(つ)るす習慣がある。黄紙は黄金を、白紙は銀両を表し、これをあの世の鬼への贈り物にするという。
冥銭は紙に銭の形を印刷したり銭の形に切ったりしたもので、死者があの世で幸福を受け、裕福に暮らせるようにと、仏前や墓前で焼くもの。葬列で紙銭をまくこともある。子供が欲しいとき、安産祈願その他の機会にも紙銭を焼くことがある。日本では冥銭にあたるものを六道銭とよび、入棺のときに死者にもたせることがある。
[井之口章次]
『永尾龍造著『支那民俗誌』復刻版(1973・国書刊行会)』
字通「紙」の項目を見る。
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…用途は多方面にわたり,窓紙などの室内装飾に使用され,紙衣,紙帽など布帛(ふはく)の代用品にもなった。中国では葬式に紙銭を焼いたが,こうした風習も唐代にはじまった。こうした用途の広がりとともに,紙の加工技術も進んだ。…
…紙冥器の製作販売は葬儀屋すなわち冥衣舗,槓房が行った。葬儀に焼く買路銭とも呼ぶ紙銭(しせん)も,古くすでに漢代に副葬した実物の銭が起源と考えられ,冥途の路銀,小遣いまた贈賄の意味をもち,冥器の一種といえよう。紙製明器を焼く風習は新中国成立時まで伝えられた。…
※「紙銭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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