素っ破(読み)スッパ

デジタル大辞泉 「素っ破」の意味・読み・例文・類語

すっぱ【素っ破/透っ波】

戦国時代武家野武士野盗であった者を取りたてて使った間者乱波らっぱ。忍びの者。
ぬすっと。すり。かたり。
「それがしは京田舎走りまはって、かくれもなき―ぢゃ」〈虎清狂・禁野
うそ。うそつき。
男たらしの―より」〈浄・廿四孝
[類語]忍者忍び忍術忍法忍びの者間者くノ一乱波らっぱ探偵密偵間諜回し者隠密スパイ

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精選版 日本国語大辞典 「素っ破」の意味・読み・例文・類語

すっぱ【素破・透波】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 盗人(ぬすびと)。詐欺師(さぎし)。すり。かたり。すっと。すっぱの皮。
    1. [初出の実例]「其やうな者をあつめてをいたぞ。すっぱどもをぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)七)
  3. 戦国時代、野武士、強盗などから出て間者をつとめた者。忍びの者。乱波(らっぱ)突破
    1. [初出の実例]「この慰、すまいのぎゃうじ、すっぱのてがらし、軍に意得、人の見知りたるなれば」(出典:本福寺跡書(1560頃)東山大谷殿破却之事)
  4. 邪心。いつわりの心。うそ。また、それらの心をもっている者。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「おぼこな顔をしてといふ様な邪気(スッハ)はすくなし」(出典洒落本・秘事真告(1757頃)堀江の相)

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