素人(読み)シロウト

デジタル大辞泉 「素人」の意味・読み・例文・類語

しろ‐うと【素人】

《「しろひと白人)」の音変化》
その事に経験が浅く、未熟な人。その道で必要な技能知識をもっていない人。また、その事を職業専門としていない人。「素人とは思えぬみごとな芸」「素人考え」⇔玄人くろうと
芸者娼妓などの商売で客の相手をする女性に対して、一般の女性。堅気の女性。⇔玄人くろうと
近世上方で、私娼のこと。
「かくとはいかで―の、田舎の客に揚げられて」〈浄・油地獄
[類語]アマチュアアマノンプロとうしろう

しら‐びと【素人】

しろうと」に同じ。
「ただの―が強盗とみづから名乗りて」〈著聞集一二

しろ‐と【人】

しろうと」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「素人」の意味・読み・例文・類語

しろ‐うとしら‥【素人】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しらひと」の変化した語 )
  2. ある物事に経験の浅い人。技芸などに熟達していない人。あるいは、そのことを職業・専門としていない人。しらびと。しろと。⇔くろうと
    1. [初出の実例]「ただしらうとの老人が、風流(ふりう)・延年(えんねん)なんどに身を飾りて、舞い奏でんが如し」(出典風姿花伝(1400‐02頃)七)
    2. 「医者さまの方じゃア、代脉でも承知だらうが、素人(シロウト)の目からは安堵しねへものよ」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)二)
  3. 芸妓娼婦などの商売女に対して、ふつうの女性をいう。しろうとおんな。しろとおんな。しろと。⇔くろうと
    1. [初出の実例]「兎角近年は、素人(シロフト)がそれしゃの真似したがる」(出典:談義本・当風辻談義(1753)五)
  4. 江戸時代、京や大坂で私娼の異称。白人(はくじん)。しろと。しろとおんな。
    1. [初出の実例]「かくとは如何(いか)でしろうとの、田舎の客に揚げられて」(出典:浄瑠璃・女殺油地獄(1721)上)

しろ‐と【素人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. しろうと(素人)
    1. [初出の実例]「ゑりつきになびく君じゃものを、なさけごかしは愚者(シロト)のむかし」(出典:浮世草子・好色万金丹(1694)二)
  3. しろうと(素人)
    1. [初出の実例]「恐ろしい男の顔をも素人(シロト)の厭ふほど厭ふことなく」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴〉四五)
  4. しろうと(素人)

しら‐ひと【素人】

  1. 〘 名詞 〙しろうと(素人)
    1. [初出の実例]「まづおぼしめし候へ。ただのしら人が、強盗とみづから名乗て、命をまかせ参らせて、何のせんか候べき」(出典:古今著聞集(1254)一二)

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普及版 字通 「素人」の読み・字形・画数・意味

【素人】そじん

普通の人。

字通「素」の項目を見る

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