細江(読み)ホソエ

デジタル大辞泉 「細江」の意味・読み・例文・類語

ほそ‐え【細江】

狭い入り江。
「風吹けば波か立たむとさもらひに都太つだの―に浦隠り居り」〈・九四五〉

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精選版 日本国語大辞典 「細江」の意味・読み・例文・類語

ほそ‐え【細江】

  1. 〘 名詞 〙 細長い入江。
    1. [初出の実例]「風吹けば波か立たむとさもらひに都多の細江(ほそえ)に浦隠り居り」(出典万葉集(8C後)六・九四三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「細江」の意味・わかりやすい解説

細江
ほそえ

静岡県西部、引佐郡(いなさぐん)南部にあった旧町名(細江町(ちょう))。現在は浜松市の中南部を占め、北区南部を形成する地域。浜名湖の北東引佐細江に注ぐ都田川(みやこだがわ)河口部に位置する。旧細江町は1955年(昭和30)気賀(きが)町と中川村が合併して細江町と改称。2005年(平成17)周辺10市町村とともに浜松市と合併。地域は北から西へ引佐山地、南は三方原(みかたはら)に続く丘陵地、中央部は都田川と井伊谷川流域の沖積低地からなる。天竜浜名湖鉄道、国道257号、362号が通じる。中心地区気賀は古代から水陸交通の要地。江戸時代には東海道脇往還(わきおうかん)の本坂通(姫街道)の関所が置かれ、宿場町でもあった。水稲ミカンをおもにつくり、花木栽培が盛ん。江戸時代に琉球藺(りゅうきゅういぐさ)の栽培がなされ、これを原料に畳表が織られ遠州表として近代まで続いた。1984年浜松地域テクノポリスに指定される。さらに工業団地細江テクノランドも造成されている。初山宝林寺の仏殿と方丈は国指定重要文化財。4月上旬、都田川の桜堤を行く姫様道中の祭りは観光客でにぎわう。

[川崎文昭]

『『細江町史』全13巻(1980~2000・細江町)』


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百科事典マイペディア 「細江」の意味・わかりやすい解説

細江[町]【ほそえ】

静岡県南西部,引佐(いなさ)郡の旧町。浜名湖北東部の湾入引佐細江に臨む。東海道脇往還の関所があった気賀(きが)が中心で天竜浜名湖鉄道が通じる。米,ミカン,ネーブルを産する。浜名湖岸観光地の一部をなす。2005年7月天竜市,浜北市,周智郡春野町,磐田郡佐久間町,水窪町,龍山村,浜名郡舞阪町,雄踏町,引佐郡引佐町,三ヶ日町と浜松市へ編入。34.18km2。2万1633人(2003)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「細江」の意味・わかりやすい解説

細江
ほそえ

静岡県西部,浜松市南西部の旧町域。浜名湖北東岸にある。 1955年気賀町と中川村が合体して細江町が成立。 2005年浜松市に編入。 2007年政令指定都市化に伴い北区の一部となった。中心集落の気賀は,江戸時代に気賀近藤氏が関所を設けたところ。また,姫街道の宿場町として繁栄した。丘陵地ではミカン栽培,都田川と井伊谷川が合流する沖積地では米作が行なわれる。かつて湖岸ではイグサが栽培され,畳表の特産地であった。長楽寺,宝林寺など名刹があり,都田川桜堤で毎年4月に行なわれる姫様道中の行事は有名。西気賀の「ウナギの白焼き」は名物。一部は浜名湖県立自然公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「細江」の意味・わかりやすい解説

細江 (ほそえ)

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