精選版 日本国語大辞典 「細胞分裂」の意味・読み・例文・類語
さいぼう‐ぶんれつ サイバウ‥【細胞分裂】
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1個の細胞が二つの同じまたは異なった大きさの細胞に分かれる現象であるが、まれには昆虫卵の表割のように多くの細胞を一時に生じることもある。普通、核分裂が細胞質分裂に先行しておこり、この核分裂はほとんどの場合有糸分裂による。有糸分裂は核内容とくに染色体の分配のために重要な仕組みで、体細胞分裂と、生殖細胞形成時の減数分裂の両方にみられる。体細胞分裂の核分裂は、前期(染色質が凝集して染色体となり核膜が見えなくなる)、前中期(染色体が細胞の中央部に集まってくる)、中期(染色体が赤道面に配列される)、後期(染色体が左右の極に移動する)、終期(両極で染色体が休止核に戻る)に分けられる。減数分裂では、これらに先だって異型核分裂である第1分裂が存在する。分裂から次の分裂までの間を間期または休止期というが、この期間は細胞内の物質代謝や高分子合成はむしろ盛んで、DNAなどの染色体物質の複製はこの時期におこる。また細胞質も普通は間期に2倍の大きさになるが、受精卵の細胞分裂である卵割のように、細胞が成長せず、分裂によって細胞の大きさが小さくなっていく場合もある。まれには核膜が消失せず、染色体の分裂のみがおこり、染色体が倍加するが核分裂、細胞質分裂に至らないことがあり、これを核内有糸分裂といい、双翅(そうし)類の唾腺(だせん)染色体が巨大化するのはこの現象によるが、そのほか動物の肝臓や気管、植物のカルス、虫こぶなどの細胞でおこることがある。細胞にコルヒチンを与えると、核分裂は中期で停止する。
有糸分裂によって染色体が二つの核に分けられたのちに、通常、細胞質分裂がおこる。動物の細胞質分裂の機構はウニの卵や培養細胞などを用いて詳しく研究されている。以前は細胞中央部にある分裂装置が分裂の原動力となっていると考えられていたが、コルヒチンや物理的な力によって分裂装置を除いても分裂がおこることなどから、現在では細胞表層が重要であると考えられている。筋収縮におけるアクチンと同じように、細胞質分裂で主要な役目を果たすタンパク質はチューブリンと名づけられており、コルヒチンと結合性がある。繊毛運動もこのチューブリンによっておこることが知られており、細胞質分裂と繊毛運動とは同じ種類の細胞運動であると考えられる。動物の細胞質分裂は二つの娘(じょう)細胞がちぎれるようになるが、植物細胞では周囲に細胞壁があるので細胞の外形はほとんど変わらず、二つの娘細胞の間に新しい細胞壁がつくられることによって分裂が完了する。
[大岡 宏]
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(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)
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