精選版 日本国語大辞典 「細胞膜」の意味・読み・例文・類語
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
細胞の表面にあって,外界との境をなす膜で,厚さは約7~10 nm で,約60% のタンパク質と40% の脂質からなっている.脂質はリン脂質がおもで,ホスファチジルコリン,リソレシチン,ホスファチジルエタノールアミン,ホスファチジルセリンなどである.ただし,バクテリアではレシチン(ホスファチジルコリン)がなく,ホスファチジルグリセリンが多い.多くの細胞膜は,KMnO4あるいはOsO4で固定し,電子顕微鏡で観察すると,暗明暗の3層構造をもち,単位膜の考え方で説明されてきたが,いまだに細胞膜の決定的構造が示されていない.しかし,S.J. Singerの提出した流動モザイクモデルが,もっとも適当であると考えられている.植物細胞や微生物では,外側にさらに細胞壁がある.細胞膜の機能は,細胞を閉曲面内に閉ざして独立に保たせることのほかに,物理化学的受動輸送や,エネルギーを必要とする選択的物質透過,すなわち能動輸送を行う.神経の細胞膜ではイオンポンプにより刺激の伝達を行う.さらに動的な構造の変化により,ピノサイトシスやファゴサイトシスを行い,高分子の導入をも行う.また,細胞膜はバクテリアなどでDNAの複製や細胞分裂に関与する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
細胞の最外層を取り囲む膜で、形質膜、原形質膜ともいう。この膜は、1960年のロバートソンJ. D. Robertsonの説以来3層とされるが、その分子構造は、1972年にシンガーS. J. SingerとニコルソンG. L. Nicolsonが発表した「流動モザイク説」では次のように説明されている。膜はリン脂質の2分子層からなっているが、その中にタンパク粒子がモザイク状に存在する。タンパク粒子には内在性と表在性の2種類がある。内在性タンパク粒子は、液晶構造をもつリン脂質の2分子層の中を自由に流れ動くことができる。表在性タンパク粒子は、膜の細胞質側の表面に存在して、内在性タンパク粒子の分布を調節している。能動輸送に関係する酵素タンパクや、ホルモンの刺激により活性化される酵素タンパクは内在性タンパク粒子に含まれている。
細胞の表面、すなわち細胞膜の外側は、細胞に特有な糖衣(多糖類)で包まれ、細胞どうしの認識や結合に役だっている。また、糖衣の負荷電は多量の陽イオンを細胞表面に引き付ける。細胞表面の多糖類は細胞表面抗原をもち、細胞性免疫(体液性抗体によらず、胸腺(きょうせん)由来のT細胞による細胞性免疫をいう)に大きな役割を果たしている。
[小林靖夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
常に身に迫る一触即発の危険な状態をいう。シラクサの僭主ディオニュシオス1世の廷臣ダモクレスが王者の幸福をたたえたので,王がある宴席でダモクレスを王座につかせ,その頭上に毛髪1本で抜き身の剣をつるし,王...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新