そ‐しき【組織】
〘名〙
① (━する) 組み立てること。また、組み立てられたもの。くみたて。そしょく。〔和英語林集成(
再版)(1872)〕
※明六雑誌‐二二号(1874)知説四〈西周〉「
諸学の見象を類次し単純なる者より組織なる者に至り五学の
模範を立つ」 〔孟郊‐出東門詩〕
② (━する)
一定の目標があり、
成員の
地位と
役割とそれに応じた責任が決められているような人々の
集合体。また、それを組み立てること。
広義には一定の機能をもちつつ、
全体として
結合を保っているものをいう。経済組織、行政組織、社会組織など。そしょく。
③
生物体を構成する
単位で、ほぼ同じ形や働きをもった
細胞の集まり。
動物では
上皮、結合、
筋肉、
神経などの各組織に、
植物では
表皮、通導、柔、機械などの各組織に分けられる。組織が集まって一定の機能をもった
器官となる。そしょく。〔医語類聚(1872)〕
④ (━する)
織物で、緯
(よこいと)と経
(たていと)を組み合わせること。また、その組み合わせ。そしょく。
そ‐しょく【組織】
※経済小学家政要旨(
仮名付)(1877)〈永峰秀樹訳〉一「冬は一里余り隔りたる
学校に通ひ夏は紡績組織
(ソショク)(〈注〉オリモノ)を事とし」
※
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一〇「大学の組織
(ソショク)の如きも、匇卒
(さうそつ)今日の有様を見れば、寔
(まこと)に羨むべく尊むべく」
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デジタル大辞泉
「組織」の意味・読み・例文・類語
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普及版 字通
「組織」の読み・字形・画数・意味
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組織
岩石の結晶度,粒度,個々の結晶その他の構成物の形,構成物同士の配列状態や接合状態など,鉱物集合体での鉱物の幾何学的な特徴.これは岩石を生じた周囲の条件を反映していると考えられている.組織(texture)と構造(structure)の区別は明確に区分することは難しいが,岩石学では,一般には組織は顕微鏡的な鉱物相互の関係の場合に用い,構造は肉眼的に見られるようなやや大きい模様に用いることが多い.しかしこの区別は学問分野によって異なり,地球科学関係の中でも構造地質学では岩石や岩体が形成されたときに生じる一次構造と,その後の断層,褶曲,節理などを二次構造と区別している.また国によってもtextureとstructueとは日本とは逆の意味で用いられるところがあり,注意を要する.模様(fabric)も区別の難しい語であるが,岩石学ではどちらかといえば組織(texture)に近い意味で用いられることが多い.片山らは岩石の組織は結晶度,粒度,模様(fabric)の三要素で決まるとしている[片山ほか : 1970].
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組織
そしき
organization
集団成員間の相互交渉の結果として生れてきた集団全体としての成員相互関係,つまり役割,地位の体系および各成員の行動規準や伝達および統制の過程の総体を意味する。ときには組織化された体系としての集団,つまり組織体のことを組織と表現することがある。しかし一般には,集団の内部の構造化そのものを組織という。集団が自然発生的に生じてくるような場合,その成立の初期には組織分化度は低く,明瞭性を欠き,また各成員の受持つ役割,地位,行動規準は変化しやすく,安定性を欠いているといえるが,集団が長く持続していくに従って,次第に安定し,場合によっては,必要以上に固定化してくる場合もある。集団の組織化は,大別して2つの側面に向って行われる。 D.カートライトによると,その一つは,集団の共通目標に適応する方向に成員の行動を引起す機能であり,他の一つは,集団の統合を維持,強化する方向に働く機能であるとされる。集団の組織はその内部に同時的にインフォーマルな組織とフォーマルな組織をもつ。
組織
そしき
tissue
生物学用語。多細胞の生物体において起源的に同じで形態も似た細胞が,互いに集って一定の作用を営んでいるものをいう。しばしばこれらの細胞は,その生産した物質 (細胞間質など) によって連絡されている。動物には上皮組織,筋組織,神経組織,結合組織などがあり,植物には表皮組織,柔組織,繊維組織,通道組織などがある。動物の血液やリンパなどの体液は,細胞間質が流動性をもっている結合組織として取扱われている。組織は組織系を構成し,また何種かの組織が集って器官を形成する。
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組織【そしき】
生物学用語。多細胞生物において,一定の構造と機能をもった1種または数種の細胞の集りを組織という。動物では上皮・結合・筋肉・神経・軟骨・骨・体液(血液とリンパ液)組織などが区別される。植物では分裂組織・永久組織に大別され,後者はさらに同化・通導・貯蔵組織などに分けられる。何種類かの組織が集まって器官を構成する。
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そしき【組織 tissue】
生物における細胞集団。多細胞生物においては発生が進むにしたがい細胞が形態的・機能的に分化する。これらの細胞は雑然と混合しているのではなく,多くは同じ種類の細胞が集合し,一定の配列をなしている。このように1種類または数種類の細胞からなる有機的細胞集団を組織という。tissueの語はラテン語texere由来のフランス語tissuから派生したもので,織物の意味。あたかも多数の緯糸・経糸からなる織物のように,組織をつくる細胞間には有機的な連絡がある。
そしき【組織 organization】
組織とは,企業体,学校,労働組合などのように,2人以上の人々が共通の目標達成をめざしながら分化した役割を担い,統一的な意志のもとに継続している協働動行為の体系と定義することができる。すなわち,分化した機能をもつ複数の要素が,一定の原理や秩序のもとに一つの有意義な全体となっているものの意であるから,広義には,動物や植物の場合にもひとつひとつの細胞が集まって成り立つ場合,細胞組織とか人体組織というように用いられる。
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組織
1973年製作のアメリカ映画。原題《The Outfit》。リチャード・スターク『悪党パーカー/犯罪組織』の映画化。監督:ジョン・フリン、出演:ロバート・デュバル、カレン・ブラックほか。
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組織
特定の目的を達成するために、専門的な役割を持った部門で構成されている集合体のこと。企業も組織に当たり、ライン部門、スタッフ部門で構成されている。
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組織
体の単位の一つで,同一種類の細胞の集団.例えば,上皮組織,脂肪組織など.
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世界大百科事典内の組織の言及
【体制】より
…生物体の構造の基本的,一般的な形式のこと。生物体の構造には,系統分岐とともに生じた千態万様の多様性がある。それらの解析に基づいて生物界はまず菌,植物,動物の3界に分けられる。次にそれぞれの群をやや小さい群(門)に分け,さらにその各群をもっと小さい群(綱,目など)に順次に分けることができる。このようにして生物の種はピラミッド状の体系つまり分類体系に整理される。分類学はこうした解析の作業を中心として成り立っているが,ここで第1に着目されるのが種々の段階にある体制である。…
【経営学】より
…社会への影響力を強めつつある企業の行動を研究対象とする学問分野。資本主義経済のもとでの一般的な企業は,私的営利を目的として経済活動を営む組織体であるが,経営学はその企業行動を組織体の活動として分析するところに,その認識上の特徴がある。経済活動を営む組織体には,直接に営利を目的としていない公企業や公共事業体,協同組合等々もあるが,これらの行う経済活動も,それを組織体の活動として認識したときには経営学の研究対象となりうる。…
【器官】より
…多細胞生物のからだの中で,1種ないし多種の組織から成り,どの個体にも共通する一定の形態・構造と機能をもつ部分のこと。動物体についていえば,例えばヒトの犬歯は象牙質,エナメル質,セメント質,歯髄などいくつかの組織から成る1個の器官である。…
【組織学】より
…解剖学の中の一分野。特定の構造と機能をもった細胞どうしが目的に応じて集合し,機能上,構造上の合目的性をもった一つの有機体を形成したものを組織といい,この組織という材質の組合せとして生体を研究する学問が組織学である。これに対して,生体を器官という部品からなりたつ構造として,その微小な構築まで研究していく学問は,顕微解剖学microscopic anatomyとよばれる。…
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