けいざい‐がく【経済学】
〘名〙
※
明暗(1916)〈
夏目漱石〉三九「
未だ読み切れない経済学
(ケイザイガク)の独逸書を」
② 国を治め、民を守ることを研究する学問。〔厳維‐秋日与諸公文会天寺〕
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デジタル大辞泉
「経済学」の意味・読み・例文・類語
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経済学【けいざいがく】
広義では,人間社会の各発展段階における物質的財貨の生産と分配の法則を窮める社会科学系の学問。普通は,資本主義社会の経済法則を窮める学問と狭義に解される。体系としての経済学は早くから資本主義の発達した英国に生まれた。その古典派は価値の基準を労働に求めたが,等価交換から利潤を導出することに失敗した。これを批判的に継承したマルクス経済学は利潤,したがって資本の秘密を商品の価値の中に探って剰余価値生産の法則を明らかにし,この法則をもとに価格や資本の運動を窮め,資本と労働の対立関係が社会の生産力の障害と化するに至ってこの社会は崩壊すると説く。他方,生産や売買の経済現象を個人の主観的効用から説明する限界効用学派(オーストリア学派)が効用の客観的測定不可能と批判されたあと,効用または価値論を捨てて財貨数量,価格,所得等の組合せから経済現象の均衡理論や経済発展の理論を展開するローザンヌ学派,さらに社会の心理的性向から所得,投資等の傾向を分析して資本主義の修正発展を説く新古典派等の近代経済学が生まれた。マルクス学派と近代学派は今日の経済学の二大潮流をなすが,前者は本質究明に,後者は現象解明にそれぞれ特色を示す。対象により,原論・貨幣論・金融論等の各論,経済史,経済政策学等に分かれる。
→関連項目行動科学
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経済学
けいざいがく
economics
社会科学の一部門で,経済に関する学問。経済学が対象とする経済とは,私的所有と私企業制度を基礎として高度に発達した現代の市場機構を中心とする経済組織をいう。経済に対する接近方法には,(1) 経済を「循環する流れ」とみる見方,(2) 多数の目的に対する手段の希少性によって特徴づける立場,(3) 効用ないし福祉を出発点とする考え方,(4) 経済をシステムとしてとらえる立場などがある。また経済学は,価値判断に基づく政策評価を含むか否かによって,規範的経済学 (→厚生経済学 ) と実証的経済学とに分けることもできる。経済学のうち,経済過程全体の輪郭を全体として扱う部分をマクロ経済学と呼び,これに対し個々の経済単位の行動とその対象をそのまま分析する部分をミクロ経済学という。また静学・動学の区別がある (→経済静学・経済動学 ) 。
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けいざいがく【経済学 economics】
【分析対象による分類】
経済学は経済現象を対象とする社会科学の一領域である。主としてその分析対象によって数多くの分野に分類される。まず経済理論はミクロ経済学とマクロ経済学に分けられる。ミクロ経済学は,経済を構成する個別的な経済主体,つまり個人,企業がどのような経済行動を選択するかという問題を分析したり,個別的な産業について,生産技術,生産規模がどのようにして決定されるかということを論じ,さまざまな財貨・サービスの相対価格を分析する。
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世界大百科事典内の経済学の言及
【市場】より
…こうして市場は,場所からいっても機能からいっても局所的なものでなく,社会的機能をもつがゆえにそうなるのだが,他の社会制度からの限界づけや他の制度との調和を伝統,慣行,法規則などのかたちで制度に組み込んだ売買の制度であるといえる。(3)ところで経済学では,いっそう抽象的なかたちで市場を構想する。それによれば市場とは,いわば無名の経済人(ホモ・エコノミクス)たちがセルフ・インタレストを動機にして自由に作用しあい,各財・サービスの需要・供給関係を価格によって調整していく機構(メカニズム)である。…
【実証経済学】より
…経済学の方法論に関する一つの考え方。経済学は,ある理論的仮説にもとづいて,論理的・演繹(えんえき)的方法によって,理論的命題ないしは政策的命題を導き出し,経験的ないしは実証的分析を通じて,これらの命題が正しいかどうかということを検討する。…
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