絡む(読み)カラム

デジタル大辞泉 「絡む」の意味・読み・例文・類語

から・む【絡む/×搦む】

[動マ五(四)]
物に巻きつく。巻きついて離れなくなる。まといつく。「朝顔垣根に―・む」「たんが―・む」
他の物事が密接に結びつく。「金が―・んだ事件
理屈をこねたり、無理を言ったりして相手を困らせる。言いがかりをつける。「酔って―・む」
俗に、交流する。「あの人なら―・んだことがある」
巻きつける。絡める。
「袴のくくり高く―・みあげて」〈著聞集・一〇〉
[動マ下二]からめる」の文語形
[類語](1絡まる巻き付くまつわるまつわり付くまとい付くもつれるこんがらかる纏繞てんじょうする絡み付く絡み合う/(2かかわるまつわる関係する関する当該当事関連連関連係相関関与交渉かかわりつながり結び付き掛かり合い引っ掛かり絡みかかかかずらあずかかかり合う関わり合う巡るかまける掛かりっきり/(3因縁を付けるくだを巻く駄駄をこねる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「絡む」の意味・読み・例文・類語

から・む【絡・搦】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. 細長いものなどが、まわりに巻きつく。からまる。
      1. [初出の実例]「内甲(うちかぶと)にからみたる鬢の髪を押のけ」(出典:太平記(14C後)二六)
      2. 「ヘビガ キニ karan(カラン)デ ノボル」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
    2. 言いがかりをつけてつきまとう。むり難題をしつこく言って困らせる。からまる。
      1. [初出の実例]「戒名(けへみゃう)を十七八ほっていやアがるから、おれがからみぬひてやったら」(出典:洒落本・駅舎三友(1779頃)出立)
      2. 「お勢は例の事を種にして乙うからんだ水向け文句」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
    3. 事態がわかりにくく入り組む。こんがらかる。からまる。
      1. [初出の実例]「イヤア、最前より詞(ことば)の端々、味に搦(カラ)みしこの場の様子」(出典:歌舞伎・𢅻雑石尊贐(1823)中幕)
    4. ( の比喩的用法 ) 感情や欲望、事柄などがつきまとってくる。密接に関連する。「情がからむ」
      1. [初出の実例]「何かお祭にからんだ事を申上げます」(出典:落語・錦の犢鼻褌(1897)〈四代目橘家円蔵〉)
    5. 登山で、山の中腹を回って進む。〔山岳語彙(1942)〕
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙 細長いものなどを、まわりに巻きつける。からめる。
    1. [初出の実例]「この御ばくやうは、うちたたせ給ぬれば、ふたところながら、はだかに腰からませ給て、夜中、暁まであそばす」(出典:大鏡(12C前)四)
    2. 「上を帯にてからみしを見て」(出典:申楽談儀(1430)能の色どり)
    3. 「をのをの肩にかけたるもの共、かの僧のおひねものとひとつにからみて馬に付て」(出典:俳諧・更科紀行(1688‐89))
  3. [ 3 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙からめる(絡)

絡むの補助注記

何かが離れずに巻きつくというのが原義

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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