精選版 日本国語大辞典 「緑藻植物」の意味・読み・例文・類語
りょくそう‐しょくぶつ リョクサウ‥【緑藻植物】
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植物分類学上の一門として扱われる藻類(緑藻類)。世界で約6500種が知られているが、その90%ほどが淡水産種である。日本には約1500の淡水産種と、約300の海産種が生育する。緑藻類は、光合成色素としてクロロフィルaとbのほか、β(ベータ)-カロチン、ルテイン、ゼアキサンチン、ネオキサンチン、ビオラキサンチンなどの色素をもち、体色は緑色。同化貯蔵物質はデンプンである。葉緑体は2枚の膜で包まれ、多重のチラコイドラメラ(葉緑体の構造単位となる薄い層)をもつ。生殖細胞は単細胞で、遊走細胞は頂部に2本あるいは4本の等長な鞭毛(べんもう)をもつ。また、頂部付近に環状に多数の鞭毛をもつものもあるが、いずれの鞭毛も鞭(むち)型構造である。緑藻植物の分類は、主として体構造、生殖の方法、細胞分裂の様式などによって、10~12目に分類される。
緑藻植物の体構造は、単細胞性のものから群体性まであり、細胞にも糸状、膜状、樹状、管状などがある。単細胞性と群体性のもののなかには、クラミドモナスやボルボックスのように鞭毛をもって泳ぐものと、クロレラやヨツメモのように鞭毛をもたず、遊泳性のないものとがある。ミル、イワヅタ、カサノリなどの体は単細胞管状である。ミルの仲間にはナガミルのように十数メートルに達するものもあるが、体は胞嚢(ほうのう)という小さな袋が互いに細い糸でつながった構造となっている。胞嚢と胞嚢の間に細胞を仕切る細胞壁がなく、細胞質はすべて連絡しているので単細胞体と考えられるが、成熟すると配偶子嚢を生じ、配偶子嚢との間には隔壁を生ずる(分実性という)。イワヅタは外見上、根、茎、葉の区別が明瞭(めいりょう)である。しかし、この体にも細胞間を仕切る細胞壁がない。イワヅタの葉緑体は、明るいときには葉状部に移り、暗くなると葉緑体は茎状部と根状部に移動する。イワヅタでは生殖細胞は体全体につくられる。つまり、体全体が胞子嚢となるわけである(全実性という)。ミルとイワヅタの体はいずれも多核であるが、カサノリでは通常、単核である。
緑藻植物を生活史の様式からみると、(1)ミル、イワヅタのように複相(2n)体のみが存在し、減数分裂は配偶子形成前に行い、世代交代のないもの(ミル型)、(2)アオミドロのように単相体のみが存在し、雌雄の配偶子の細胞質が互いに連絡管を通じて融合し、接合子が発芽前に減数分裂をするもの(アオミドロ型)、(3)外見上、同形同大の配偶体と胞子体が互いに規則正しく交代する同型世代交代をするもの(シオグサ型)、(4)ヒトエグサやモツレグサのように、巨視的な配偶体に比べて顕微鏡的な大きさの胞子体とが互いに規則正しく交代する異型世代交代をするもの(ヒトエグサ型)などに分けられる。
[吉崎 誠]
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