編木(読み)ビンザサラ

デジタル大辞泉 「編木」の意味・読み・例文・類語

びん‐ざさら【編木/拍板】

打楽器の一。数十枚の短冊形の薄い木片などをひもで連ねたもの。両端取っ手を持って振り合わせ、板を打ち合わせて音を出す。ささらぎ。ささら。→ささら

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「編木」の意味・読み・例文・類語

びん‐ざさら【編木・拍板】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 民俗芸能の打楽器の一つ。短冊形の薄い板を数十枚連ねて上方を紐で綴じ合わせたもの。両端を握って振り合わせて音を出す。ささら。
    1. [初出の実例]「永長元年之夏、洛陽大有田楽之事〈略〉高足一足、腰鼓振鼓銅鈸子、編木(びんざさら)、殖女養女之類、日夜無絶」(出典洛陽田楽記(1096))
  3. を持ってする踊り。田楽踊(でんがくおどり)。びくざさら。
    1. 編木<b>②</b>〈年中行事絵巻〉
      編木年中行事絵巻
    2. [初出の実例]「次田楽。先中門口。びんざさら。菊阿彌。笛。玉阿彌 着花笠高足駄をはく」(出典:文安田楽能記(1446))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「編木」の解説

編木
びんざさら

拍板(びんざさら)とも。体鳴楽器。もと田楽踊の楽器。奈良時代に中国から伝来し,平安末期に各地流行奈良春日大社御祭歌舞伎音楽,民俗芸能などで使われる。数十枚以上の木板を紐で横につなぎ,両端の取手をもち上に突きあげて音をだすので「ささらを突く」と表現される。歌舞伎の編木はカシ製で40枚。富山県の「こきりこ節」に使われる編木は108枚。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android