精選版 日本国語大辞典 「羊毛」の意味・読み・例文・類語
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
ヒツジから刈り取った毛の繊維。ヨーロッパでは非常に古くから羊毛を繊維とする習慣があったが、わが国ではヒツジが輸入されたのは比較的新しい。ヒツジは通常年1回、春の温暖になるころに毛を刈り取る。現在は、電気バリカンによって腹部より左右に切り開き、順次はぎ取っていき、一枚の毛皮のような形(フリース)にするのが習慣である。一頭のヒツジから収穫できる羊毛量は、オーストラリアンメリノー種で約3キログラムであり、刈り取ったままの羊毛(原毛)は脂、糞尿(ふんにょう)、土砂などが付着しており、これを洗ってきれいにすると目方は約半分となる。またフリースのなかでも部位によって毛の長さ、細さ、光沢などの差がある。肩の部分は、細くて長く質も柔らかで、もっとも良質の毛を産出する。
羊毛繊維に特有な性質として、ジグザグ形に捲縮(けんしゅく)した形状(クリンプスという)と、繊維表面にうろこ状に無数の鱗片(りんぺん)(スケールという)がある。細い羊毛ほどクリンプスの数は増え、スケール数も多く、配列も規則的となる傾向がある。一方このスケールは縮絨(しゅくじゅう)作用の原因となり、とくにせっけん水と熱と圧力の下では、羊毛繊維が互いに絡み合って硬いかたまりとなる(フェルト化)。一般にフェルト化がおこると実用には不都合なため、塩素処理をしてスケールをすこし破壊した羊毛製品が多い。
[並木 覚]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
羊から得られる獣毛繊維.ウールとヘアーに分けられる.ウールは細くて柔らかく,比較的短い.ヘアーは太くて長く,硬く,毛髄をもつ.これらはケラチンからなっており,品種,太さにより若干変動するが,羊毛ケラチンの加水分解物は約20種類のα-アミノ酸からなる.羊毛は断面が円形に近く,その高次組織は多数の紡錘状細胞と細胞間物質,さらにこれを取りまくりん片状細胞(クチクラ,うろこ状でスケールともいう)からなっており,毛髄は普通の羊毛では消滅している.細いウールはおもに衣料用に使用され,繊維のなかでは最高級である.ヘアーはカーペットなどに用いる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…羊毛その他の獣毛を原料とする織物。動物の体毛のうち空洞のないものをヘアhair,空洞のある柔らかいものをウールwoolと呼び,羊毛を主体とするウールを糸として織ったものをいう。毛糸には梳毛糸(そもうし)(長さが平均して5cm以上の良質羊毛から短い繊維を取り除き,平行にそろえてひきのばし,撚りをかけて表面をなめらかにしたもの)と紡毛糸(ぼうもうし)(短い羊毛や梳毛の工程ですき落とされたノイルと称する短いくず毛などを混ぜ合わせたもの)があり,それぞれ織られたものを梳毛織物(ウーステッドworsted),紡毛織物(ウールンwoolen)と呼ぶ。…
…綿,羊毛などの比較的短い繊維をそろえて撚り(より)をかけた紡績糸(スパン糸spun yarn),および絹,ナイロンなどの長い繊維を集束して撚りをかけた繊条糸(フィラメント糸filament yarn)の総称。繊維をそろえて撚りをかけたものには,綱,縄,紐などがあるが,一般に糸は最も細いものをいい,また長い繊条,たとえばクモの糸,釣糸なども糸と呼ばれている。…
…毛織物の素原料である羊毛の世界最大の産出国はオーストラリア(豪州)である。そのオーストラリアの各羊毛集散地市場で競売方式で決まる豪毛競売相場は,羊毛取引の世界的な指標となっている。…
…これらはおもにセルロースからできている。生産されている動物繊維は大部分が羊毛である。羊毛の世界生産高は年産約160万tである。…
…肉用種,毛用種,兼用種など,飼育の目的によって区分されたり,細毛種,粗毛種,長毛種,短毛種などと毛の品質によって区分されたりするが,これらを総合的に判断して次の9群にわけることができる。(1)メリノー系種(メリノー種) スペインにローマ人がもちこんだヒツジが源となり成立したスパニッシュ・メリノー種Spanish Merinoは細美な羊毛を生産する毛用種として世界各地へ広められ,オーストラリアではオーストラリアン・メリノー種Australian Merino(イラスト),フランスではランブイエ・メリノー種Rambouillet Merino,ドイツではサクソニー・メリノー種Saxony Merino,アメリカでデレーン・メリノー種Delaine Merinoなど一連のメリノー系種が成立した。いずれも乾燥した土地に適し,毛質は優れているが,産肉性は劣る。…
※「羊毛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象をさす。日本の出生率は、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに先進国のうちでも低い水準となっている。出生率の低下は、直接には人々の意...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新