精選版 日本国語大辞典 「翡翠」の意味・読み・例文・類語
ひ‐すい【翡翠】
〘名〙
① =かわせみ(翡翠)《季・夏》
※空華集(1359‐68頃)一「琅玕半隠二烟際一、翡翠双眠二水頭一」
※仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)四「爰に翅の青き鳥あり。かたち翡翠(ヒスイ)のごとし」
② カワセミの羽。また、それを用いて作ったもの。あるいは、つややかで美しいものをカワセミの羽にたとえていう。
③ 特に、頭髪が美しくつややかなこと。また、そのような頭髪をいう。
※夜の寝覚(1045‐68頃)五「御髪はゆらゆらと、ひすいとはこれをいふにやと見えて」
④ 鳥の尾の傍に生えた長い羽。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※見果てぬ夢(1910)〈永井荷風〉三「あの柔い緑の色の翡翠(ヒスヰ)の珠」
⑥ 青々としていて、美しくつややかなものを宝石の色にたとえていう。
かわ‐せみ かは‥【翡翠】
〘名〙
① カワセミ科の鳥。全長約一七センチメートルで、スズメよりやや大きい。雌雄ともに頭部は暗緑色、背面は空色で腹面は橙色。くちばしは太く、長さは約四センチメートル。尾は短く、あしは赤い。水辺にすみ、川魚、カエル、昆虫などを食べ、土手やがけに横穴を掘って営巣する。日本全土にみられる留鳥。ひすい。かわせび。しょうびん。そにどり。そに。《季・夏》 〔天正本節用集(1590)〕
② カワセミ科の鳥の総称。世界に約九〇種あり、日本にはヤマセミ、アカショウビンなどがいる。
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