精選版 日本国語大辞典 「肋骨」の意味・読み・例文・類語
あばら‐ぼね【肋骨】
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脊椎(せきつい)動物において、椎骨と結合し、胸腔(きょうこう)や腹腔を囲んで弓状に彎曲(わんきょく)して腹方に向かう軟骨性または硬骨性の長骨をいう。円口類には肋骨はない。爬虫(はちゅう)類以上では湾曲した破骨性長骨がその前端(腹端)にある肋軟骨を介して胸骨と結合する真肋骨、上位助骨の肋軟骨を介して間接的に結合する仮肋骨(かろっこつ)、胸骨と結合しない浮肋骨(ふろっこつ)がある。哺乳(ほにゅう)類のシロネズミでは13対の肋骨があり、第1~第7肋骨の7個が真肋骨であり、第8~第10肋骨の3個は仮肋骨で、終わりの第11~第13肋骨の3個は浮肋骨である。
発生学上は肋骨を2種に分ける。第一は筋系を背部と腹部に分ける隔壁にある結合組織より発生し椎骨の横突起に連結したもので、軟骨魚類および両生類以上のものにみられ、背肋骨(はいろっこつ)または上肋骨(じょうろっこつ)とよばれる。第二は血道突起が左右に開いたまま体腔壁直下に伸長したもので、硬骨魚類にみられ、腹肋骨(ふくろっこつ)または下肋骨(かろっこつ)とよばれる。しかし、一部のもの(たとえばコイ)には背肋骨と腹肋骨の両方がある。
[内堀雅行]
ヒトの肋骨は、細長く、弓状に曲がっており、胸郭の側壁の大部分を形成している。数は12対あるが、上位7対はそれぞれ後端で胸椎(きょうつい)と関節をつくり、前端はそれぞれ7対の肋軟骨を介して胸骨外側縁と連結している。この第1肋骨から第7肋骨までを真肋(しんろく)(肋硬骨、胸骨肋)とよぶ。下位5対(第8~第12肋骨)は仮肋(かろく)(弓肋)とよび、後端で胸椎と関節をつくる。下位5対のうち、上位の3対の肋骨の肋軟骨は、すぐ上位の肋軟骨に結合して胸骨と連絡しているが、下位2対(第11対と第12対)は前端が胸骨に達しないで遊離している。これを浮肋(ふろく)(浮遊肋骨)とよび、第10肋骨でも遊離することがある。
肋骨は中央部の肋骨(第6肋骨あたり)がもっとも一般的な形態を示している。すなわち、後端には胸椎と関節をつくる肋骨頭があり、ここから長さ2センチメートルくらいの細長い肋骨頸(けい)が続く。肋骨頸から肋骨体に移るが、その境に肋骨結節があり、この肋骨結節の外側あたりから肋骨体の部分は急に彎曲(わんきょく)の度合いが変わり、前内方へと胸骨外側縁に向かって屈曲し、肋軟骨によって胸骨と結合する。強い屈曲を始める部分を肋骨角とよぶ。
第1肋骨から第7肋骨までは漸次長くなり、それ以下の肋骨は、ふたたびしだいに短くなる。肋骨のうち、第1、第2、第11、第12肋骨は前述した一般的な形態とは異なっている。第1肋骨はもっとも彎曲して短く、また幅も広い。第2肋骨も彎曲が強度で、長さは第1肋骨の倍くらいである。第11、第12肋骨は彎曲が弱く、肋骨頸、肋骨結節もない。第12肋骨はとくに短く、欠如している場合もある。また、肋骨は部位によって傾斜の方向が異なっている。上位肋骨から徐々に前下方に傾き、第9肋骨あたりでもっとも傾斜が強くなり、それから下方は、またしだいに緩くなる。
肋骨の内側には肋骨溝(こう)とよぶ溝が走るが、この溝の中を肋間動・静脈、肋間神経が走っている。第11、第12肋骨にはこの溝がない。肋骨は胸骨と肋軟骨によって結合することによって、胸郭に弾性を与え、胸骨や肋骨への衝撃を緩め、呼吸運動における胸郭の運動の効率を高めている。
[嶋井和世]
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…このほか脊椎動物では脊柱の前方に頭蓋(とうがい)(頭骨)という特別の骨格部が発達し,その中に脳をいれている。また各椎骨には1対の肋骨が発達し,体腔壁の支柱をなしている。その腹側端は遊離していることもあるが,多くは胸部前壁中に発達した胸骨と連結する。…
…椎骨は原則として,前後に関節で連なるほぼ円柱形をした椎体(円口類にはない)と,その背方にあって脊髄の通る穴(椎孔)を取り囲むΛ型の部分つまり神経弓(椎弓)とからできている。神経弓の両側にはがんじょうな横突起が突出し,肋骨との関節部をなす。また背方には神経棘(きよく)(棘突起)という正中突起があり,体節性の筋肉の付着部となる。…
※「肋骨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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