食の医学館 「肝がん」の解説
かんがん【肝がん】
《どんな病気か?》
突然肝(かん)がんになるということはほとんどなく、肝機能の低下から肝炎(かんえん)や肝硬変(かんこうへん)をへて、肝がんにいたるケースがほとんどです。しかも、肝臓は「沈黙の臓器」といわれるように、症状がなかなか表面に現れません。
肝機能の低下、また肝細胞を破壊する原因の1つにウイルスがあり、ウイルスによる肝炎から肝がんに移行しやすいこともわかっています。
また、アルコールも肝機能を低下させる原因の1つ。アルコール性肝炎では、アルコールをひかえることにより、再生能力の高い肝臓は正常な機能を取り戻すことができます。
《関連する食品》
〈アサリ、シジミで肝機能を強化する〉
○栄養成分としての働きから
正常な肝機能を維持し、肝細胞の破壊を防ぐための栄養素を第1に考えなければなりません。
活発に肝臓を機能させるには、良質なたんぱく質が欠かせません。一般にシジミは肝臓によいといわれているとおり、たんぱく価が高く、肝臓の解毒作用があるタウリンも含んでいます。アサリやカキも同様に肝臓の機能を活発化させる食品です。
また、肝機能が低下すると疲れやすくなりますが、これは肝臓で貯蔵しているビタミンCの代謝機能(たいしゃきのう)が低下しているからです。そのため、通常より多くのビタミンCを摂取する必要があります。同時にビタミンCを補給することにより、肝臓の働きを活発にします。レモンやオレンジ、グレープフルーツなどの柑橘類(かんきつるい)、ブロッコリーやトマト、ピーマンなどの緑黄色野菜で摂取しましょう。